きぃちゃん(270文字)
母さんが若かった頃だから、ずっと昔の話ね。
母さんは、本屋さんに立ち寄った。
そこに、きぃちゃんが現れたのよ。
きぃちゃんというのはね。
黄色い雨靴を履いているから、きぃちゃんなの。
その日は、色あせた花柄の傘も差していた。
雨も降っていないのに。
本屋さんの中に入っても、傘は差したまま。
でも、だれもなにも言わないの。
きぃちゃんは雨傘さして、本屋さんの中を歩き回ったわ。
だれもそれをとがめないのが、当たり前だった。
きぃちゃんは、母さんに本を見せたの。
そして、言ったわ、あかちゃん、かわいいねって。
母さんは、そうだね、あかちゃん、かわいいねって答えたの。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます