あしおと、爪痕、ENTER KEY!⑩
伊藤京一が自宅で不可解な体験をして2日が過ぎた。
お嬢さんの送迎はいつも通り。
何事も無く終わりました。
だが、私には無事とは言いきれませんでした。
自宅で毎日、不思議な体験をするはめになったのです。
3日間。
毎日深夜2時ごろ。
私だけが体験していたようです。
妻と娘と、いわゆる川の字で和室に布団を敷いて寝ています。
寝室は、玄関を入って正面の扉の先、キッチン件ダイニングに入った左手の扉の先です。
インターホンが鳴りました。
私は反射的に目を覚ましたようで、まず寝室の暗がりで二人の寝姿を確認して、イラッとしつつも無視して寝ようと決めこみました。
非常識な輩相手に真夜中から絡みに行くには私も疲れていましたから。
ピンポーン、ピンポーン、ピピンポーん、ピンポーンピピ・・・・・。
(こんな夜更けに。)
迷惑など考えない輩への怒りと、妻と娘まで起こしてしまうこと が我慢ならず、ついに立ち上がってしまいました。
二人は良く眠っていました。
インターフォンを覗くと、玄関前の静止画が見えるだけ。
人どころか動くモノは、ひとつも目につきませんでした。
ただ、ノイズがかすかに。
気泡が弾けるような。グラスに液体が注がれるような。
かすかな違和感を覚えました。
しかし、私はこの時ただカメラの電源をOFFにして再び
明日も同様な現象に悩まされるとは知らずに。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
毎晩夜中にインターフォンの呼び鈴からはじまる変異。
最初の日から3日が過ぎたあの日。
振り返れば、インターフォンに出たせいなのか。
ここで入院している原因の出来事が起きたのです。
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