プレスって結構すごい精霊だった。

第8話 暖圧の大精霊と風木の駄神

ちゅんちゅん

小鳥のさえずりがどこからか聞こえる。紅夜は見慣れない天井を見て

「ここどこだろう」

とつぶやいた。

「おっ起きたか。」

急に声をかけられベッドからおり攻撃態勢をとる。

「まぁまぁ怪しいもんじゃねーって。」

紅夜はその人の顔を見て少し安心する

「あなたが巧さんですか?」

「おう、そうだ。」

「私は紅夜です。今までイザナミお母様に体を貸して眠っていたのですが、お母様の記憶が正しければ提示したクロスゲームに勝ちその報酬が私だと。」

「そうそう。それで俺たちはまだパーティを作っていなくて、仲間に加わって欲しいんだ。」

「............わかりました。一緒に良いパーティを作れるように努力しましょう。」

「ああ」

共に握手を交わすとトントンと誰かがドアを叩いた。

「入るぞ巧殿。」

ガチャ、とドアを開けて入る男性

「おっお目覚めかな紅夜殿。」

「はい。えっとこの方は?」

「私はストッキーフロアのMスターの飲食店の店長ダンクです。」

「店長、紅夜も起きたことだし行きますか。」

「え.....どこにですか?」

「私たちMスターのリーダーの所へ行くのだよ。」

「ちょっと話があるしな。」

「何層目ですか?」

「本拠は、4層目だ。これでもうちは巨大な商業パーティだからな。」

紅夜はとても不安な顔をする

「どうやっていくのですか?1層上がるのに一週間はかかるのですよ」

「それなら心配はいらないさ。クセイル。」

【お呼びですか。マイマスター。】

忽然と紅夜の前に現れた一匹の紳士っぽいドラゴン。

【む...そこのお嬢さんが紅夜じゃな。わしはクセイルじゃ。わしの能力で一瞬で四層目まで行くのじゃ。】

「クセイルさんですか。お願いいたします。」

「じゃあ行くか....あれ?プレスは?」

【先に行かせましたぞ。】

「えっ.....大丈夫ですかそれ」

「大丈夫!」

ビシッと親指を立てて笑顔の巧。本当に大丈夫なの?と心配するダンクと紅夜


四層目 Mスター本拠周辺


(また来てしまいました。500前とあまり変わってません。)

と思いながら憂鬱に歩いているプレス。

(はあー。本当のこと言った方が良いですかね〜。早くきてくれないとばれてしまうかも。)

「............」

誰だかわからないがプレスを見ている何か。否、見ている者たち。

「あれプレス様では無いですか?」

「やっと見つけられた。」

「どこで何をなされていたのでしょうか?」

そんな見られているのも知らないプレス。しかしプレスは見られていると察知し振り向く瞬間

「おーいプレス」

振り向いた先に巧たちがいた。

「巧さんたち早いですね。」

「紅夜が起きたからな。全員揃ったことだし行くか。案内宜しくダンク。」

「分かりました。巧殿。」

巧たちはMスターの本拠へ行くのであった


同時刻 ???


「ふー。ここってやっぱいつ見ても、いい景色だわ!」

一人で豊かな自然を眺める女性。

「シルフィード様。ご報告があります。」

「何?トマト大佐。」

「プレス様を発見しました。」

「なんですってプレス姉が!?」

「はい、間違いありませんでした。どこかのパーティーに入ってるようでした。」

「・・・・わかった。プレス姉のことを引き続き見はっといて。いざという時のために大河童 よもぎを連れてってちょうだい。」

「了解いたしました。」


Mスター本拠客間


巧たちはダンクの案内で客間に来ていた。優雅にお茶を飲んでると、ガチャっと扉が開きダンクとひとりの中年の男性が入ってきた。

「ようこそおいでになられました。巧様。私がメロスです。」

「こちらこそ呼んでくださりありがとうございます。メロスさん。」

「巧様があの鉱物を持ってきたときびっくりしましたよ。」

「ぼくも‘地球‘という星に来てからびっくりしました。」

「しかもクセイルさんの査定のやつもすごいのです。ほぼ査定額に近いのでちょっと直せばうち儲かってしまうぞ。」

【それはなりよりだ。暇で作ったものだしな。】

3人は愉快な会話をするが紅夜が何も分からなくて固まっている。

「あのー・・・見たことない鉱物なんですが・・・」

「あぁー。わりぃわりぃ。これは‘地球‘って言う星の鉱物で見ろ、きらきらしていてしかも結構固いのだよ。」

へーと感心したように頷く紅夜。

「ではあの約束守らせていただきます。」

「あぁ。よろしく頼むぜ。」

ともに握手をし巧たちはMスター本拠を出て宿屋に戻ろうとにしたのだったが

      

      \(゜ロ\)ココハドコ? (/ロ゜)/アタシハダアレ?

           異世界で俺、最強なんじゃね

               よろしく


手に現れた用紙によって戻れなくなった。


        クロスゲーム「暖圧の風と風木の熱」


主催者 風木の駄神 シルフィード


主催者代理人 幸福と安心の精霊{座敷わらし} トマト大佐

       大河童 よもぎ

 

参加者 プレス・ファイヤリング


クエスト ???


リタイア 降伏


「なにこれ?クエスト書いてないじゃん。しかもプレスだって?」

プレスは蒼白の顔になった。

「今私の脳内にクエストが伝わりました。これは私一人で行かなければなりません。皆さんは先に帰ってください。」

そういうとパッと走り出すプレス。

「おいかけましょう。」

【見つからないようにな】

「ああそうだな。」

はたして過去のプレスに何があったのか。


続く

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