第7話 黄泉の炎神 イザナミ編ファイナル

時は遡り1000年前。

「gyaaaaaaaa」

「guruuuuuuuuuuu」

インホステスト山岳は数多の神や幻獣が暴れていた。それを抑えようとする古神と老幻獣。そしてそこの管理人 氷塊月面、十六夜月の星霊 紅夜はひと苦労していた。

「みんな、落ち着いて!どうしたの急に..きゃあ」

「gyaaaaaaa」

紅夜の首は幻獣によって喰い千切られる。はずだった。大樹が地面から出なければ

「しっかりしな!紅夜。よそ見したらまた襲われるぞ。」

「すみません。ユグドラシルさん。でも未だに急に暴走したのか原因がつかめません」

「私たちでは倒しきれないわ」

「とりあえず粘りましょう」

「ああ」

この戦いが終わったのは次の瞬間だった


第三層 黄泉帝国


「............暇ね」

イザナミは暇を持て余していた。どんぐらいかって?地球2個分ぐらいでしょうか。その時、使者のイフリートが慌ててやってきた。

「どうしたのイフリート?」

「ご報告します。紅夜様が管理しているインホステスト山岳で神や幻獣が暴れているようです。」

「なんですって⁉︎」

イザナミははすぐ紅夜に炎の精霊を通してテレパシーを伝えた。

(紅夜大丈夫?)

(お母様⁉︎すみません、私たちではとても対処できません。)

(そう....私が行くわ。しばらくわたしのなかでねむってちょうだい。)

(えっ⁉︎何.....)

ここで紅夜の視界は閉じる

「イフリート!」

「はっ。何でしょうか?」

「此処をあんたに任せる。しばらく帰らないわ。」

「御意。」


同時刻 インホステスト山岳


「紅夜大丈夫か!?」

突然倒れた紅夜に戸惑っているユグドラシル。だが次の瞬間、暴れていた神や幻獣は炎に包まれ焼け死んでしまった。しかし、古神や老幻獣は無傷だった。

「何だと⁉︎」

「あら終わってしまったわー。てか一瞬で終わるってどんだけ弱いのかしら?」

「誰だ!」

ユグドラシルは声のした方向を向くと金髪をなびかせた、紅夜がいた。

「紅夜....ではなかろう」

「ええ。私はイザナミよ。」

「イザナミ様⁉︎」

「当分紅夜は帰ってこない。頑張っていきましょう。」

「はっ」

これは後に巧と出会うこととなるのだった。


現在 インホステスト山岳


「さ、始めましょう〜♪」

「よくのんきにいられるな。俺以外全員凍らしといて。」

そう比喩あらず訂正もなし。巧以外の人、古神、幻獣、土地までイザナミによって凍らせたのだ。

「違うわ。これに耐えた貴方が凄いのよ。」

淡々と説明していくイザナミ。

「今の私は氷と炎を操れるの。だから私は貴方を一瞬で殺せる。そうね〜例えば。」

そういった瞬間、巧の右腕に雷痛が起こった

「っ⁉︎」

腕を見ると凍ったまま燃えていたのだ。

「どう?私が指を鳴らせばたぶん貴方の腕は吹き飛ぶわ。確実に。」

巧は本当にやばいと悟り

「くっそがああああああああああ」

自ら足で腕を破壊した。しかし腕は石でどんどん修復されていく。

「いまのお前、多分俺の5割出すより強い。」

「それって嫌がらせ?」

「だから早く終わらせる。」

「そうはさせないわ。」

両者はともにぶつかり合う。しかしこの戦いが一週間も続いた。いや彼らにしては永遠だったかもしれない。


一週間後


「ハァハァ」

「おい!決着がつかないじゃないか。お腹すいたんですけど。」

「ハァそれは..無理。ていうかあんた不死身なんじゃない?」

「石で自己再生してるからな。.......終わらせていい?」

「でも私には勝てないわ。」

「いいや一つだけある。それはあんたが祀られている、出雲大社の勾玉だ。」

「どうするのそれを?」

「こうするのさ。」

巧は幾つかの勾玉を作り糸を通して輪っか状にした。そして近くで燃えていた炎に近づけると瞬く間に赤く光る輪となった。

「これわかるか?」

「いいえ。さっぱり。」

「これはこうして使うのさ。」

巧はイザナミの方へ輪を投げつけるとイザナミの体に巻き付いて離れなくなってしまった。

「⁉︎何これ。離れないじゃない。」

「これは金縛り、いや神縛りとも呼ぶか。」

善良な神でも悪漢な神でも追い払う品。なぜ金縛りが起きるかというと、夜が一番おいだせるため。そして憑依されている人間を抑えるため。そこから術を唱え、追い払わせる。基本的霊感の強い僧がやっているもの。

「お前人の体に憑依しているんだろう。」

「............いつから知ってたのよ。」

「最初からさ。最下層にこんな神いるわけないじゃん。こっちでは結構有名なんだぞ。地球って所じゃゲームでも使われているし。」

「はぁー最初っからお見通しってわけね。まあこのゲームに負けても私は死なないけどね。黄泉帝国に体置いてきたし。」

「そうか。」

「報酬のこと話しとくわ。貴方にはこの体の持ち主。氷塊月面、そして十六夜月の星霊 紅夜をあげるわ。魔王でないから隷属ってわけでもないけど。」

「紅夜?聞いたことないぞ。」

「ええわからないはずだわ。あの子私の隠し子だもの。」

「えっ⁉︎....」

巧は絶句した。イザナミが隠し子を持っているなんてそんな話

「これは私自身が隠していたことだもの。しょうがないわ。」

イザナミは語っていく。

「私カグツチ産んだ時しんでしまったでしょ。この子はね、その時産まれるはずだった子、そしてカグツチの双子にあたる子でもある。本当だったらカグツチで火傷をした私を冷やしてくれるはずだったのよ。成長して来たから、最下層にある黄泉帝国に性質が近いインホステスト山岳の管理人をやらせてあげたわ。そしたらどっか神とクロスゲームに勝って元は氷塊月面の主権と星を司る星霊だったけど十六夜月の主権までとって......すごい子よね〜私の子とは思えないほど。」

「いい話だな。」

「ふふ、そう言ってくれると嬉しいわ。」

「もう大丈夫か?」

「ええ」

巧はイザナミに向かって砂を蹴りデコピンの動作をする。するとイザナミの胸から勢いよく血があふれ出た。

「じゃあな。」

此処で巧の手の中に用紙が現れた。


おめでとうございます。


其れだけだった。それだけしか書いていなかった。しかし文面を読んだ瞬間凍っていた者たちは元どうりになった

【マスターあやつ何かや......あれ?】

「私たちの周りこんな感じでしたっけ。」

「なんか変だ。」

「ゲームはクリアした............そんじゃこの娘連れて街に戻るか。」

【え⁉︎⁉︎⁉︎あっはい.....】

巧を追いかける3人。

「さぁ次はどんな奴が来るかな」


次のストーリーは暖圧の大精霊と風木の駄神です。楽しみにしてください

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