第6話 黄泉の炎神 イザナミ編5
「どういうことですか」
「言葉どうり悪霊軍を作ろうとしたんだ。」
「正解。但し理由もいってもらわないとー」
「まずおかしいと思ったのが俺が読んだ神話とは違ったところだ。」
「どこがかしら?」
「用紙には世界と黄泉の国の境界を閉ざされたと書いてあり神話には黄泉国と葦原中津国(地上)の間の黄泉路において葦原中国とつながっている黄泉比良坂(よもつひらさか)で、イザナミに対してイザナギが大岩で道を塞ぐと書いてある。ここで境界とは何か...わかるかプレス。」
「いいえさっぱり。」
「では付け足そう。天獄〈天国と地獄〉とこの世をつないでいるのは?」
「えーっと三途の川ですか?」
「そう三途の川だ。ではどう渡ると思う?」
「えっ橋で渡るんじゃないんですか?」
「実は三途の川は橋は掛かってないんだ。しかも三途の川はとても深く歩くこともできない、すなわち絶対泳いでいかなければならい。」
「でも三途の川と大岩とどのような関係が?」
「まだわからないのか?境界を閉じた=大岩で川の流れを止めた。流れを止めると、川の水がなくなってしまう。ということは?」
「泳いで行けないって感じ?マジやばげ」
「そういうことだ」
地神はめっちゃカッコつけて決めポーズする。しかし本当は喜んでいるわけではない。
「あっでもなんで悪霊と関係あるわけ?」
「そうですよ、なんでですか?」
「それは簡単だよ。三途の川渡れないってことは人間は成仏出来ない。成仏できないとなるとやがて悪心を抱き人間を襲う悪霊となってしまうのさ。」
「すごいじゃない満点よ」
パチパチと拍手をするイザナミ。
「あの人は私が死んで悲しんだんでしょうね。死んだの原因であるカグツチを恨み悪霊を集め殺そうと思ったけど他の神に止められ永久牢獄に入れられた。しかしあの人は、魔王に目覚めてしまい永久牢獄を破って逃走した。あなたすごいわね頭脳も力も」
「そりゃどうもありがとうございます。」
「ではここからは試練じゃない決闘よ。」
巧の手の中に用紙が現れた。
クロスゲーム『第三試練一騎打ち』
主催者 黄泉の炎神 イザナミ
参加者 加藤 巧
クエスト 黄泉の炎神 イザナミの討伐
リタイア 降伏
「じゃあ行きましょうか。」
「ええ」
巧が答えた瞬間、2人の姿は消えた。
【どこに行ったのじゃ!?】
「上です!上にいます!」
3人が空を見上げると拳と拳をぶつけて戦闘を始めていた。
「へーこの速さについていけるんだ。」
「当たり前だ。よっと。」
巧は地上に降りると石柱を造りイザナミの方へ飛ばしていく。
「ふふ、ぬるいわ!」
それをいともたやすく炎で消してくイザナミ。
「あら、動揺しちゃってー....こっちから攻めるわよ!」
イザナミは炎で二つの長い紐状にしくっつける。それはたちまち青々とした1対の龍へと変化する。
「gyaaaaaa」
巧の方に突進してくる青炎龍。しかも巧は直で攻撃を受けたのだ。受けた瞬間大爆発が起きあたり周辺は燃え盛る炎で包まれている
「巧さん!」
【主殿!】
「あらら、殺しちゃったみたい?ごめんね」
「誰が死んだんだって?」
炎の中から出てくる巧。体は火傷一つ付いていない。
「あぶねー自分が石化してなかったら死んでたわ。」
「自分自身を石化?ありえないわ。どうこうしても解けない筈よ。」
「少し本気出したようだね。こっちも出していいかな。出てこい"ゴーレム"!」
巧がそういうと3mありそうな石の小巨人ゴーレムを召喚した。
「倒すつもりで行っちゃいなゴーレム」
「gooooooooooooooooooooooon」
ゴーレムの声は森中に響いた。
「ふん、こんなのすぐに倒せるわ。」
イザナミは大きな炎の玉を出し豪速球で投げつける、が
「goooooooon」
ゴーレムは炎を殴りつけると粉砕した。
「なっ何よー炎を殴るって物理的に無理だわ。」
「ゴーレム今だ!」
「goooooooon」
ゴーレムはイザナミが隙を作ったのでその巨体とは思えのほどの速さで懐に入り込み上へと突き上げた。
「がっ.....ぐっ....」
200mほど飛ばされ、大きなクレーターを作るほど勢いよく落下したイザナミ。
(くそ、この体は借り物なのにこんなんになっちゃったらあの娘が....)
実はイザナミは本当の姿ではなかったのだ。1000年前にインホステスト山岳の古神や老幻獣が暴れているので黄泉の国に体を置いて、ここの管理人に体を貸してもらってやってきたのだ。
(ごめんね、紅夜。あなたの能力まで使いたくなかった。許してちょうだい。)
十六夜月が出てきた。そこで、イザナミは全ての力を解放した。仮面がカランと落ちる。そこには銀色になびく凛とした体つきの美しい美貌の持ち主、否、存在はイザナミだが、からだは今だ誰も神話で語られていない人物、氷塊月面と十六夜月の星霊 紅夜の姿がここにあった。その瞬間インホステスト山岳は氷結によって全体が凍った。
「さあ、続きを始めましょうか。」
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