第8話 袁術包囲網

呂布が徐州を乗っ取り小沛に移った劉備達だが袁術に攻められるなか呂布が横取りし小沛の劉備を攻め始めた。


四方を呂布の軍に囲まれた劉備は、糜竺や孫乾の策を受け入れ、許都に居る曹操のもとに向かった。


曹操は劉備を受け入れ、豫州に赴任させるのだった。


曹操

「フッ、久しいな劉備よ

又しても呂布にやられたな。」


劉備

「感謝する曹操」


曹操

「桜花の妹が居ると聞いたが誰だ」


桜音

「私ですが・・・

あの、姉さんは如何されたのですか」


曹操

「我が元から出て行ったとでも言っておこうか」

(妹だから桜花と似て美しいかと思ったが可愛らしいと言うべきだな私の好みではない。)


桜音

「そうですか・・・」

(姉さんから武を奪ったのね。

だから出て言ったのよね)


曹操は去って行った


劉備

「曹操は桜花をかなり愛しているようだね」


桜音

「えっ!?」


劉備

「桜音を見ても君を口説くような素振りも無く興味も持たなかった。」


桜音

「姉さんは強く賢く美しい人だから姉さんを好きになった人は他の女性に見向きしなくなると言っていたわ」


劉備

「僕は桜音が良いな〜」


桜音

「有難う劉備様。

劉備様が立派な青年になったら側において下さいね」


劉備

「うーん、必ず桜音を僕のお嫁さんにしてあげる」


その頃名前を変えた桜花は徐州討伐戦で援軍に居た太史慈と出っくわしてしまう


太史慈

「貴女は確か蛍殿では」


「いえ、雫と申します。」

(こんな時に太史慈に会うなんて・・・)


太史慈

「これは失礼しました。

あまりにもその包帯姿が同じなので蛍殿と思いました。」


「そうですか、同じ包帯姿の女がいるのですか偶然ですね。」


周瑜

「曹操軍に居ると言う猛将だろ。

噂は聞いている確か曹操の妻となったと聞いているぞ」


太史慈

「そうだったんですか、では俺はこれで雫殿これからも宜しくお願いします」


「ええ」


周瑜

「フッ、お前もその猛将と匹敵する位強いなら孫策の妻となれるぞ」


「フン!!

興味などない!!」

(曹操は元気なのかしら・・・)


周瑜

「おー怖!!」


淮南を支配する袁術は、孫策から預かった伝国の玉璽を返そうとしないばかりか、自ら皇帝を僭称した。


そして呂布の一人娘を息子の妃として迎えるべく使者をだすが、呂布はこれを捕らえて許都に送ってしまう。


怒った袁術は約20万の兵を7つに分けて呂布の居る徐州に進軍した。


迎え撃つ呂布軍では、元陶謙の配下だった陳登が、袁術の7隊のうち韓暹と楊奉を寝返らせた。


2人は献帝の長安脱出に功があったものの、反旗を翻して曹操に打ち払われたのち、袁術のもとに身を寄せていたのだ。


そして、いざ両軍激突となった際、韓暹と楊奉が味方の陣に火を放って回ったため、袁術軍は大混乱。


豫州にいた関羽までが参戦したため、袁術は寿春に逃げていった。


呂布は韓暹、楊奉、関羽をねぎらい、韓暹と楊奉にはそれぞれ徐州の地方都市を守らせた。


寿春に戻った袁術は孫策に援軍を依頼したが、孫策は玉璽を返そうとしない袁術に絶縁状を送り付けたうえで、袁術の侵攻に備えた。


曹操

「夏侯惇、孫策に袁術討伐を命じたい。」


夏侯惇

「ですが劉備や呂布も此方には居ます」


曹操

「少し南の孫策のところに探りを入れたいのだ。

使者を出し桜花らしき者が居ないかついでに探らせろ」


夏侯惇

「ハッ!!」


孫策のもとに曹操から袁術討伐の命が届いたため、孫策は袁術が曹操軍に向けて北上したところを背後から攻める旨を伝え届けた。


曹操軍使者

(あれは桜花様だ・・・)


孫策

「袁術が曹操軍に向けて北上したら背後から攻めると伝えてくれ」


曹操軍使者

「ハッ!!」


曹操は孫策のみならず劉備と呂布にも袁術討伐に参加するよう使者を出した。


使者が戻り曹操に報告した


使者の兵

「曹操様、孫策のところに桜花様がいらしていました。」


曹操は含み笑いをする


曹操

「フッ、やっと見つけた。

で、相変わらず包帯を巻いていたか」


使者の兵

「はい、巻いていました。」


曹操

「そうか、下がって良いぞ。」

(やっと会える!

楽しみにしているぞ桜花よ)


それから、先に合流したのは、徐州の地方都市で略奪を働いていた韓暹と楊奉の首を取ってきたばかりの劉備だ。


次いで呂布も合流すると、今までの遺恨は置いておいて、曹操は呂布を丁寧にねぎらった。


そして、呂布を左軍、劉備を右軍、曹操を中軍として進軍を開始した。


袁術は僑蕤を先鋒として派遣するが、曹操軍先鋒の夏侯惇がこれを蹴散らし、敗残兵は寿春に逃げ帰った。


そこへ、長江を越えた孫策軍が到着。


曹操は孫策に挨拶がてら桜花を探していた


曹操

「よくぞ参った!」


孫策

「約束は守る。」


曹操

「孫策殿少し話したい者がいるので良いか」


孫策

「ああ、構わぬぞ」


周瑜の隣に馬に乗りいる桜花に真っ直ぐに向かう曹操。


曹操

「久しいな桜花よ。」


「ええ、元気そうね曹操」


曹操

「お前もな。

この戦が終わったら帰って来ぬか」


「それは出来ぬ願いね。

今は孫策殿に仕えているのでね。」


曹操

「フッ、相変わらず意思がかたいのだな。

では又口説きに来るぞ桜花」


曹操は孫策と話す


曹操

「孫策殿、我妻を宜しくな!!」

(此処で妻と明かしておけばいずれ我が元へ帰って来る。)


曹操は素早く曹操軍に戻る。


孫策

「我が妻!?」


周瑜

「えーっ!!

お前、曹操の妻だっのかー!!」


「周瑜煩い!!

今は袁術を討つ事に専念して!」


孫策と周瑜は驚いていた。


北は曹操軍、東を呂布、南を劉備、西を孫策に囲まれた袁術は、10万の兵で寿春城を守らせたうえで、自身は、淮河の北へ逃れた。


寿春城は掘も深い堅城だったが、曹操は自ら掘を埋める作業に従事。


「流石、曹操というところね。

家臣達の心を鷲掴みして信頼が厚いわ」


孫策

「フン、我等も負けておれぬ!」


これを見た味方は奮い立ち、その勢いで寿春城を陥落させた。


次いで淮河を渡って袁術を追おうとした曹操だが、食糧不足を心配する荀彧がこれを止める。


さらに、劉表のもとに逃げた張繍が南陽などで暴れまわっているとの報を受けた曹操は、そちらに対処しなければならなくなった。


曹操

「呂布よ、劉備を小沛に置きたいのだが」


呂布

「勝手にしろ小沛ごときくれてやる。」

(此処で曹操に歯向かったら俺も討伐されてしまう)


呂布との間を取り持ったうえで許都に戻ることとなった。


曹操

「桜花!!

又会おうぞ!!」


「バレてしまったわね・・・。」

(これでは曹操の思う壺じゃない。

相変わらず女を落す策略は尽きないのね。)


孫策

「曹操の元へ帰った方が良いのではないか?」


「嫌よ!!

退屈だもん!!」


周瑜

「退屈だけで逃げて来たのか!?」


「悪いわけ、あなた達男には分からない事よ!!」


孫策

「フッ、好きにすれば良い。

逃げる女を追う男か〜面白い。」


周瑜

「良く曹操も此奴に惚れたもんだ〜」


「フッ、なんとでも言え。」


雫は船に乗り込んでいくのだった。


孫策の所では少し騒ぎになっていた、雫が曹操の妻とバレ居座っているからだ


周瑜

「孫策良いのか〜」


孫策

「帰りたくないと言うのだから致し方あるまい。

それに噂では我が妻より美しいと聞くぞ顔を見て見たいものだな〜」


その日桜花は孫策の部屋になかなか来ないので周瑜が呼びに行くのだったが廊下で女とすれ違う


周瑜

(なっ、あんな綺麗な女この城に居たか!?)


桜花

「なに呆けているの周瑜」


周瑜

「その声は!?」


桜花

「先に行くわよ」


孫策の部屋に入ると孫策も驚いていた


孫策

「成る程、曹操が追いかけるわけだな。」


周瑜

「小喬より美しい女に会ったのは初めてだ・・・」


桜花

「孫策様暫し騒ぎになっているので静めてくれませんか、これでは仕事がやりにくい。」


孫策

「分かった。

それとそろそろあの曹操の事だお前の事で書簡を送ってくると思うが」


桜花

「帰りたくないと言って居るので暫く私の所で様子を見てやるとか言って誤魔化してくれるあの人怒らせたら戦しそうだから。」


孫策

「それは困るぞ、此処もまだ人不足だからな。」


周瑜

「同盟を持ちかけて来たらどうする。

俺は曹操は好かん!?」


桜花

「貴方より紳士で頭は良いわよ!」


周瑜

「なに!!」


孫策

「まあ、まあ、内輪もめするな。

桜花よ、当分は此処に居て良いが何かあればお前を曹操に引き渡すぞ、それで良いな。」

(確かに欲しい女だ。)


桜花

「ええ、構わないわ。」

(その時は又逃げるわ)


孫策は思うのだった。


その頃、琥珀は妖術が使えない日が一週間あった


琥珀

「はあ・・・」


瑠璃

「いたものですか?」


琥珀

「ええ、力の使い過ぎで一週間妖術が使えなくなったのよ。」


瑠璃

「では、あまり遠出せず近場で寛ぐと良いですね。」


琥珀

「そうするわ」


琥珀はいつも行く場所でお茶を飲み景色を楽しみ寛ぐとそこに現れたのは・・・


諸葛亮

「先客が居ましたか〜

ご一緒して構わぬですか」

(なっ、なんと美しい・・・)


琥珀

「どうぞ・・・・・・・・」

(諸葛亮殿に会うと思ってなかった)


諸葛亮

「よく此処で友と会って居たのですが貴女ももしかして琥珀殿に会いたく来たのですか」

(なんだか琥珀殿と似た様な親近感がこの女人にはある私は惚れてしまったのか)


琥珀

「いえ、琥珀殿はまだ旅に出ていると聴きます。

それに元々此処は私のお気に入りの場所です」


諸葛亮

「では、貴女は琥珀殿の血縁者ですか」


琥珀

「そんな所ですよ諸葛亮殿」


諸葛亮

「あははは、私を知っておられたのですな。

貴女の名を教えてもらえますか」


琥珀

「ハクと言います。」


諸葛亮

「ご存知の通り私は諸葛亮孔明と申します。」


元の姿に戻った琥珀は諸葛亮と暫し楽しい時間を過ごし帰り際に諸葛亮が呼び止めた


諸葛亮

「ハク殿待たれよ。」


琥珀

「何用ですの」


諸葛亮

「又会えますかな」


琥珀

「はい、又いつ来られますか」


諸葛亮

「明日にでも良いですか」


琥珀

「はい、一週間は此方に居ます。

では明日。」


諸葛亮はハクの姿が消えるまで見送るのだった


それから一週間諸葛亮と琥珀の逢瀬が続いた最後の日だった


諸葛亮

「ハク殿、貴女と居ると私は心を落ち着く。

あー、貴女を好いている。」


琥珀

「嬉しい言葉ですがまだ早いかと思います

此処で会う事は可能ですのでその時が来たらと言う事で」


諸葛亮

「そうですか、他に思う方がおられるのですな。」


琥珀

「違いますよ諸葛亮殿。

私はまだ独り身で居たいと言いたいだけです。」


諸葛亮

「ではゆっくりとと言う事ですな」


琥珀

「はい、好いてくれるのは私も嬉しいですが日も浅い事だと思いましたね」


諸葛亮

「では、これを貴女に贈っておきます」


諸葛亮は琥珀に綺麗な髪飾りを贈ったのだった






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