第2話 初戦
私は取り敢えず幽州で劉備軍の人々と暮らす事になりそうです
趙雲
「劉備殿〜、関羽〜、桜音殿〜、公孫瓚様がお会い出来るそうだぞ〜」
桜音
「私は遠慮するわ、偉い人に会うの苦手なの」
劉備
「えーっ、でも僕も行くよ〜」
桜音
「劉備様は当たり前です偉いのですから!」
趙雲
「それが公孫瓚様が君にも会いたいと言っているんだ」
桜音
「えっ、私に」
趙雲
「ああ、公孫瓚様は君を知っている様だよ」
桜音
「私を」
劉備
「行こうよ〜桜音〜」
関羽
「そうよ、会いたがっているのだから会えばいいのよ」
桜音
「う、うん・・・」
趙雲達について行き桜音は公孫瓚に会うことにした
屋敷に入ると公孫瓚から声を掛けてきた
公孫瓚
「久しぶりだね桜音」
桜音
「貴方は・・・」
趙雲
「矢張り知り合いだったのだな」
公孫瓚
「趙雲覚えているか私が外交で数週間姿を消した時を・・・」
趙雲
「はい、あの時は俺達も焦りました」
公孫瓚
「刺客にあってな崖から落ちた時に命を救ったのが彼女だ」
趙雲
「では命の恩人と言うことですね」
公孫瓚は頷き
公孫瓚
「やっと会えた本当あの時は死ぬかと思ったが桜音殿が助けてくれたから私もまだ生きている」
桜音
「たいしたことしてませんし・・・」
(なんとあの時の人が幽州の太守だとは驚きですわ〜)
公孫瓚
「だが命の恩人には変わらない。
何か欲しいものはないか?」
桜音
「いきなり言われましても〜
何もありません!」
断るばかりで桜音に欲がない事に更に気にいる公孫瓚。
するとおもむろに懐から綺麗に包まれた袋をだす
公孫瓚
「これを受け取ってくれないか?」
桜音
「困ります!!」
公孫瓚
「だが君にいつあっても良い様にと準備していたのだ。」
公孫瓚は桜音の手に握らせるのだった
公孫瓚
「桜音の淡い髪色に似合う髪飾りが入っている関羽殿の様に髪を結うと更に可愛くなると思うぞ」
すると桜音も思い出したように懐から綺麗な布に包んだ物を取りだし公孫瓚に渡した
公孫瓚
「これを私に?」
公孫瓚が開くと外交の時によくかけるメガネだった
桜音
「助けた後メガネを失くしたと言っていたので探してみたんです。
壊れずに落ちていたので待ってました」
公孫瓚
「確かに私の物だ有難う君には感謝の言葉しか出ない。
それと劉備殿、君等一族が静かに住める様に地を与えよう。」
劉備
「公孫瓚様有難うございます」
公孫瓚
「それと3日後の夜宴を開きたいから皆呼んでくれ、それと桜音殿」
桜音
「はい」
公孫瓚
「メガネの礼だ」
何故か公孫瓚は鉄扇を桜音に渡す
桜音
「あー・・・」
公孫瓚
「君の家で介抱された時壊してしまってそれが心残りでね」
桜音
「お気になさらずに公孫瓚様、
あれはただの飾り物でしたので・・・」
公孫瓚
「いや、これは受け取ってくれよ」
ニコリと笑い桜音に渡すと公孫瓚は言う
公孫瓚
「3日後の夜、楽しみにしている必ず来てくれ。」
桜音
「は、はい・・・」
(公孫瓚様は私が鉄扇使いと知っているのかもしれない・・・)
帰りながら趙雲が言う
趙雲
「その鉄扇見てもいいか?」
桜音
「ええ・・・」
桜音が趙雲に鉄扇の入った包みを渡す
趙雲
「やはり・・・」
関羽
「趙雲どうしたの?」
趙雲
「これは特注で作らせたものなんだ。
かなり大切な人に贈るのだろうと思っていたのだが君だったとはね。」
関羽
「私も見ていい?」
趙雲
「いいが気を付けてくれ先は剣と同じで切れ味抜群だからな」
桜音
「えっ、装飾用ではないのですか?」
趙雲
「武器だよ。
それが不思議なんだ〜
君、武が出来ないのだろう?」
桜音
「ええ・・・」
趙雲
「飾っていた物は装飾品だったのか?」
桜音
「あれは母が友人から貰ったもので武器でした」
趙雲
「では公孫瓚様はその通りに作らせてのだと思うよ」
桜音
「そうですね・・・」
3日後の夜になり宴が始まるり桜音は公孫瓚から貰った髪飾りをつけ参加していた
公孫瓚は桜音と多分、話したいのだろうが目線で桜音を追うが桜音は仲間達の接待やらで忙しかった
趙雲
「桜音殿〜」
桜音
「はい」
趙雲
「あー、出来たら公孫瓚様にも酌をして頂けないだろうか?」
桜音
「えっ、関羽さんが行っているのに失礼よ。」
趙雲
「それもそうなのだがー、その髪飾りをつけた姿も見せてやってくれ。
先程から公孫瓚様の視線が痛くてな・・・」
桜音
「クスクス、辛いわね趙雲殿も」
桜音は公孫瓚の隣に行くのだった
桜音
「今日はお招き有難うございます公孫瓚様」
公孫瓚
「いやいや、無理に此方が宴を開いたから、かえって君に難儀をさせている。」
桜音
「此方こそ有難く思ってますよ」
公孫瓚に酌をする桜音
公孫瓚
「矢張り似合っている」
桜音
「クスクス、なんだか口説かれている様で恥ずかしいです」
公孫瓚
「この歳になると贈り物をして女性を喜ばせるしか脳がないからな気にしないでくれ」
自ずと宴を楽しんでいると趙雲が関羽を演武に誘う
趙雲
「関羽いいか?」
関羽
「ええ、打ち合わせ通りに」
皆二人の演武を楽しんでいると劉備がポツリと言う
劉備
「桜音も公孫瓚様からの鉄扇で何か舞える?」
桜音
「えっ、私に舞えと?」
公孫瓚
「それは見て見たいものだな〜」
劉備
「はい、桜音」
桜音
「えっ、はい・・・」
(劉備様いつの間に私の鉄扇を持って来たの?気付かなかった。)
桜音が舞い始めると公孫瓚の目付きが変わった
公孫瓚
「かなりの手練れだな桜音は・・・」
(あの鉄扇を使いこなしておる)
趙雲
「はい、美しい中にも武の強さと舞の気品が備わっています」
公孫瓚
「趙雲、頼んでいたあの件どうなった?」
趙雲
「はい、あの山で桜音殿は山賊の頭をしていたそうです」
公孫瓚
「成る程、盗みをしていたのか?」
趙雲
「いえ、自給自足の生活をしながら縛られるのが嫌いらしく一人で山で住んでいたそうです」
公孫瓚
「では山賊の頭とは?」
趙雲
「桜音殿が住む為に山賊とやりあった時に山賊の頭を倒したらしくその山賊団は桜音殿に頭を任せ、頼っていた様です。」
公孫瓚
「荒らくれどもをおさえ静かに暮らしていたとはなかなりの手練れだな。」
趙雲
「はい、今だに山賊団は桜音殿の後を探していると言う噂も聞きます」
公孫瓚
「あの容姿から想像がつかんな、
当分は様子を見よう」
趙雲
「ハッ!」
反董卓連合瓦解後袁紹はひとまず河内に駐屯したが、食糧やまぐさが不足していた。
そこへ冀州牧の韓馥が食糧を届けてくれた。
袁紹はこの恩を仇で返す。
袁紹
「あの者達は今幽州にいるんですか〜
面白い事を考えましたよ」
逢紀
「公孫瓚には共に戦い冀州を分け合おうと言い、韓馥には公孫瓚が攻めてくると言えば面白いことになります」
袁紹
「良いでしょう。
公孫瓚には私から文を出しましょう。
クックック面白いことになりますね〜」
しばらくは幽州の地でのどかに暮らしていた劉備達だが公孫瓚が袁紹と組み冀州を攻めると話が出た時に幽州から平原に出ることにした、その時、趙雲も劉備達と共に出るのだった。
関羽
「趙雲良いの私達について来て?」
趙雲
「ああ、袁紹と共に組む話しが出た時点で俺は劉備殿と共に歩もうと思った。」
劉備
「有難う趙雲」
平原でしばらく過ごしていると趙雲が度々空を眺める事が多くなる、公孫瓚の事が気掛かりで仕方ないのだった。
桜音
「趙雲、またそこに居るのね」
趙雲
「おっ、桜音か〜」
桜音
「公孫瓚様が心配?」
趙雲
「ああ、劉備殿について来たが少しな。」
桜音
「一つ情報を教えてあげるわ。」
趙雲
「情報?」
桜音
「袁紹は冀州の韓馥をそそのかし公孫瓚様が攻めて来ると嘘の文を書いて韓馥を脅したの
それで動揺した韓馥は袁紹に助けを求め冀州を袁紹に譲った様よ」
趙雲
「なっ!!
何処まで汚い野郎だ袁紹は!!」
桜音
「趙雲、落ち着いて。
そこで公孫瓚様は冀州を分け合おうと話が出ていたでしょう」
趙雲
「分配を要求するよな・・・」
桜音
「公孫越を派遣するおつもりよ、そのままで良いの趙雲?」
趙雲
「クッ、そのままでは戦がまた始まる。」
桜音
「多分袁紹の事だから公孫越は殺されるわ」
(劉備様いつの間に・・・)
劉備
「趙雲、行っていいんだよ。」
趙雲
「クッ、すまない劉備殿、行って来る!!」
趙雲は自分が引き連れて来た者達と共に出て行った
関羽
「もしものことがないかしら?」
劉備
「関羽、桜音、僕に力を貸してくれる?」
関羽
「勿論!!」
桜音もニコリと笑い戦の準備をする劉備軍だった
桜音が言った通り公孫越は袁紹によって殺害され怒った公孫瓚は冀州に進軍して袁紹軍とぶつかるのだった
公孫瓚
「この裏切り者め!!」
袁紹
「フッ、無能な韓馥が私に国を譲りたいと言ったまで、お前には関係ないことです」
袁紹は文醜を出撃させた。
対する公孫瓚は自ら文醜と対峙するが、馬の足が折れて落馬し、絶体絶命の状況におちいる。
そこへ思わぬ助けが入った
趙雲
「公孫瓚様!!」
ガジャン!!
趙雲
「今のうちに下がってください!!」
公孫瓚
「趙雲・・・感謝する!!」
趙雲と文醜は激しい打ち合いを1時間ぐらい続くが勝負はつかず、そのうち公孫軍が救援に駆け付けた為、文醜は撤退した。
その後、一進一退こ攻防を続けた両軍だが、文醜や顔良といった猛将を擁する袁紹が優勢になる。
袁紹
「この袁紹に勝てると思っているのですか?
フッ、文醜、顔良行きなさい!!」
文醜・顔良
「ハッ!!」
しかし、公孫瓚の追撃を始めた袁紹に対し、山の陰から別の一隊が現れた。
関羽
「張飛は中央、桜音は左、私と劉備は右から行くわ!!」
張飛
「任せろ!!」
桜音
「了解〜」
公孫瓚に加勢すべく平原から進軍した劉備、関羽、張飛、桜音であった。
趙雲
「みんな!!
助かる!!」
袁紹
「クッ、邪魔が入りました。
一旦撤退!!」
袁紹はあわてて撤退し、以後は守りを固めた。
戦況が膠着状態になって一ヵ月、動いたのは桜音だった。
山賊の男1
「了解〜
では行ってまいります。」
桜音
「頼んだわ!」
趙雲
「どうしたのだ桜音?」
桜音
「少しね!」
そう桜音はわざと長安の董卓に知らせる。
桜音
(あの董卓なら話しにのるでしょう)
この状況を知った長安の董卓は、2人を和解させることで恩を売ろうと考え、勅使を派遣。
袁紹も公孫瓚もこれを受け入れ、講和が成立した。
劉備
「では公孫瓚様、我々は戻ります」
公孫瓚
「劉備殿感謝する」
趙雲
「劉備殿、関羽、張飛、桜音元気で!!」
劉備
「また会いに来てね趙雲〜!!」
劉備は平原に戻ったが、その際、友誼を深めた趙雲との別れを惜しみ、涙を流して再会を願うのであった。
「琥珀姉さん、天文占い?」
「ええ、乱世が動き出して居るわ。
いずれこの全土戦が始まる。」
「でも、ここは姉さんが居れば安泰でしょう」
「瑠璃、そうも言ってられないわ
私の力を欲してある君主が動き出します」
「では、姉さんはその方と結婚されるのですか」
「いえ、私とは運命が繋がってません。」
「その戦、君主は直ぐに現れるのでしょうか」
「いえ、かなり後ですよ、それまでは安泰に暮らせるでしょう」
琥珀となりすました私は瑠璃と言う可愛いく美しい妹と長閑に暮らすのだった。
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