第9話

「……本当なの?」


「本当だよ。ちょっと体調崩しちゃって……」

と彼女。


事情は分かった。

とりあえず入院している病院と病室を聞き、通話を終えた。



次の日、終礼が終わるとすぐに学校を飛びだして、彼女の入院している病院へと向かった。

心の中で彼女のことを諦めきれていない自分に気付く。


「来てくれたんだ」と彼女。

その姿はとても元気と言える状態には見えなかった。


「ああ」


「心配掛けてごめんね、まだ退院できそうにないんだ」


「わかったよ」


彼女の横で本を読みながら近況を話したりして一緒に過ごした。それを彼女は笑顔で聞いていた。


次の日も、その次の日も。そしてその次の日も……



それでも彼女が回復する兆しは見えなかった。

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