第7話

……少しの静寂。


それに終わりを告げたのは花火だった。


「ごめん」

彼女はそう言った。


「でも、これからも友達でいてほしいな」

そして続けた。本心のようだった。


「わかった」

と答えるしかなかった……



「今日はありがとうね。また明日」


「また明日」



結局、あの後神社の前で別れるまで一言も会話しなかった。


明日どんな顔して会えばいいのだろうか――



「どうだった?」

と母親


「フラれたよ」

素っ気なく返す。


「今日は疲れたからもう寝るわ。おやすみ」

自分の部屋へ向かう。寝れるわけなんてない。



それでも時は止まらない。

落ち込んでいるうちに朝は来る。


学校へ行く用意をする途中、鏡を見るとひどい顔をしていた。


その日の授業はずっと寝ていた。

そして放課後、委員の仕事があるという彼女を置いて先に帰った。

今までで初めてのことだった。


彼女に対してどう接していいかわからなくなったのだ。

そして、それから一緒に帰ることはなくなった。


自然な成り行きだろう。

フられた相手と二人きりで帰る方がどうかしてる。


――そうして僕は、彼女を忘れようと努めた。

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