第7話
……少しの静寂。
それに終わりを告げたのは花火だった。
「ごめん」
彼女はそう言った。
「でも、これからも友達でいてほしいな」
そして続けた。本心のようだった。
「わかった」
と答えるしかなかった……
「今日はありがとうね。また明日」
「また明日」
結局、あの後神社の前で別れるまで一言も会話しなかった。
明日どんな顔して会えばいいのだろうか――
*
「どうだった?」
と母親
「フラれたよ」
素っ気なく返す。
「今日は疲れたからもう寝るわ。おやすみ」
自分の部屋へ向かう。寝れるわけなんてない。
それでも時は止まらない。
落ち込んでいるうちに朝は来る。
学校へ行く用意をする途中、鏡を見るとひどい顔をしていた。
その日の授業はずっと寝ていた。
そして放課後、委員の仕事があるという彼女を置いて先に帰った。
今までで初めてのことだった。
彼女に対してどう接していいかわからなくなったのだ。
そして、それから一緒に帰ることはなくなった。
自然な成り行きだろう。
フられた相手と二人きりで帰る方がどうかしてる。
――そうして僕は、彼女を忘れようと努めた。
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