第4話

――大変なことになったな、と思う。


ただでさえ転校してきたというだけで噂になっているというのに、パっとしない奴と帰るなんて……


田舎は閉鎖的な世界なのだ。


「噂になってるね、私たち」

始業式翌日の帰り道、いつものように一緒に帰る彼女からそう言われた。


「迷惑かけてごめん」


「迷惑だなんてそんな……だって肇くんはいい人じゃん」


「僕は君が思ってるほど良い人じゃない。最初に声をかけたのも下心だったし」


「それでも……声をかけられるのはすごいことだよ」



その日の会話はこれで途絶え、この話題は僕たちの中ではタブーとなった。


時間が過ぎ去るのは早く、いつの間にか梅雨に差し掛かろうとしていた。

僕らの関係はなんとなく続いてはいたものの、あまり進展はしなかった……

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