第3話

といっても彼女にはあまり時間がないらしく、今年から通う高校の下見程度しかできなかった。


もっとも、その高校は僕が去年から通っている高校だったが……


「じゃあ、またね。同じクラスになれると良いね」

と、僕たちは駅前で別れた。

綺麗な女の子だったな……と思いながら、僕も夕暮れの街を後にした。



「東京から来ました、吉田香澄です。よろしくお願いします!」

新学期初日、あの子は僕のクラスに編入となった。運命といえば安っぽく感じるが、そう表現しても差し支えない出来事だった。


終礼後、彼女はもう数人の女子と仲良く話していた。

それを横目に帰ろうとすると、


「佐竹くんちょっと待って、一緒に帰ろう」と話しかけられてしまった。


……しまった、と思うがもう遅い。


次の日には、彼女と僕が付き合っているという噂が流れた――

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