4話 安曇野

当日、朝早く。


俺は新幹線に乗った。


3時間ほど乗っただろうか。


最初はビルが立ち並んでいたが、次第にのどかな風景に変わっていく。


ローカル線に乗り換え、バスに乗り、たどり着いた。



”空気がおいしい”



その言葉がぴったりと当てはまるほど、空気が澄んでいた。



「ふうっ...」



と深呼吸をした。


バス停を離れ、歩き始めた。


少し狭い道を行く。


猫がひなたぼっこをしている。


途中でおばあさんが



「こんにちは」



と挨拶してきた。



「こんにちは」



俺も挨拶を返す。


そんな都会からはかけ離れた安曇野は、俺にとってすごく新鮮だった。


しばらく歩き続けると、あの草原が見えた。



『やっと着いた。』



そう思って一気に駆け出した。


無邪気な子供のように。

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