第24話 歌唱
それから、せっかくカラオケに来たんだから何か歌おう、となった。けれど、どちらが先に歌うかで激しい譲合いが始まった。
「拓斗くんの歌、聞いてみたいな」
「俺もメーちゃんの歌、聞いてみたい」
「拓斗くん、今日はわたしの誕生日、だよ?だから、拓斗くんの歌、聞かせて?」
けれど、最終的には彼女のその言葉と可愛らしい笑顔に負けて俺が先に歌うことになった。正直、あまり自信はないし、少し恥ずかしかったけれど。
ここでラブソングを歌うのはあまりにも狙いすぎ?なら、流行ってる歌?それとも……。
そんなことを考えて色々と悩んでいたら、
「あ、この曲とかどう?」
と、彼女が聞いてきた。
その曲は確かに歌えるから、「歌えるよ」と答えると、彼女はそれを入れてしまった。
しばらくして流れ出すイントロ。俺はマイクを握り、彼女に向けて歌った。一途な愛の歌を。
緊張しながらも歌い終えると、いつの間にか次の曲が予約されていた。
それは、
俺が歌った曲のアンサーソングで、
ずっと一緒にいたい、
そんな内容の歌だった。
隣を見ると、彼女は顔を真っ赤にしながらも、美しいソプラノボイスで、感情豊かに歌い始めた。
その歌声はまさに天使の歌声そのもので、俺は彼女の歌声に酔いしれた。
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