9/21課題『靴』下校デートにぴったりの靴(五枚)

人 物

古橋卯乃(16)高校生

宮本あやこ(16)卯乃の同級生

(瀬川恭太郎(16)卯乃の同級生)※出てこなかったのでいらないですね


◯高校・外観

 外の天気は曇り。


◯同・二年D組教室・内

 古橋羽乃(16)が席に着いている。

 羽乃は物憂げな表情でうつむいている。

羽乃「はぁ……」

 宮本あやこ(16)が羽乃の元にやってくる。あやこはギャル風に制服を着崩している。

あやこ「おはよー。うのちん。宿題みせてー」

 羽乃はあやこを一瞥して、ため息。

あやこ「ちょっとー。人の顔見て、ため息ってひどくなーい?」

 冗談めかして明るく笑うあやこ。

羽乃「ごめんなさい。今は宮本さんと話す気分になれないの」

 羽乃はふてくされた顔で、ノートを差し出すが、受け取らないあやこ。

あやこ「宿題なんて後でいいよ。なにかあったの? あーしに話しみてよ」

羽乃「……今朝、登校中にローファーが壊れちゃって」

あやこ「えっ? それだけ?」

 羽乃は無言であやこをにらみつける。

あやこ「なーんだ。そんなことだったら、あーしの予備貸したげるよ。これで解決だね」

 羽乃の表情がさらに暗くなる。

羽乃「ダメなの。あたし足のサイズ大きくて、たぶん宮本さんの靴はけない……」

あやこ「あー。それは困ったねぇ。じゃあもう今日は不便だけど、壊れたので我慢して帰っちゃうとか?」

羽乃「……でも、今日はせっかく瀬川くんと二人で帰る約束あるのに」

あやこ「えっ、瀬川? 瀬川と仲いいの?」

羽乃「……付き合ってるの」

あやこ「ええーっ! 言ってよ~! 知らなかった、いつから?」

羽乃「二週間前に告白されて……」

あやこ「そうだったんだぁー。おめでとー。あたしも彼氏欲しぃ~! ……ってそか、せっかくラブラブで下校なのに歩きにくいのはヤだよねぇ……。あ、そうだ!」

 あやこが教室から出て行って、すぐ戻ってくる。その手にはオシャレな長靴。

あやこ「長靴ならサイズ関係ないよね?」

羽乃「でもデートに長靴って……」

 窓の外が雷で光って、大雨が降り出す。

 あやこの目が輝いて、羽乃が微笑む。


/了


靴を『小道具』として使う課題なんでしょうけど、

自分でいうのもなんですが、あんまり小道具としては活用してませんね。

シナリオの『小道具』とは人物の感情、心理を間接的にあらわすものなのです。


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