オリキャラ達の過去談義ッ!

今回はー某異能力漫画のなりちゃで使用( 'ω'o[Now]oのオリの過去話ー

まァ過激だが楽しんでもらえると、アレだね、えと、爆笑します(笑)

薄雅(はくあ)が双子の兄で、柳玖(るく)が双子の弟でっす(笑)


本編

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……彼は血の池で蹲っていた。苦しそうに息を吐き出し、きゅっと身体を縮こめる。そう、それはまるでような仕草で──…


「これはこれは凄いことになってるねぇ敦くんに国木田くん?」

「太宰、何してる……ってあ”? 何だこの血溜めは…?」

「え、うわっ何ですかこの血溜り!?」


ビクッとして顔を上げ、声を上げた三人組を食い入るように視る。


十八、十九歳位の青年に二十歳超えの男性二人──その名を太宰、国木田、敦…と言うらしい。が、彼…薄雅はくあには恐怖と痛みを与える障害物──敵──にしか見えなかった。


「ぅ、あっ……あ…あ”あ”ぁ”ぁ”あ”あ”ぁ”あ”あ”ぁ”ぁ”ぁ”あ”、あ”あ”っ!」


異能力・『憎悪の連鎖Chain of hatred』──ッ!


耳鳴りのする頭を抱えたまま、俺は異能力を解き放つ。恐怖に囚われ、自分が何をしたかったかも、忘れかけたまま…──


「! あの人って真逆…ッ!?」

「おっと危ない。彼異能力者だったのか」

「おい太宰! 呑気にしてる場合じゃないだろう、止めろ!」

「ちょっと国木田くん、それは無理があるよ。彼の異能で地面や彼の周りがんだ、容易に近づけない」

「チッ……」


──誰も…誰も、俺に近づくな……ッ!


キーンッと金属同時がぶつかるような音の耳鳴りが鳴り響く。

頭が割れそうな程に痛い。昔傷つけられた右眼が痛い。何よりも…傷ついてボロボロになった、不安定な心が痛い。


「あ、あ…あ”ぁ”あ”ぁ”ぁ”ぁ”あ”あ”ぁ”ぁ”あ”あ”ぁ”あ”あ”ぁ”ぁ”ぁ”あ”あ”あ”っ! ……」


──怖い怖い怖い怖い! 人、人と関わるのが…怖い……ッ!


恐怖で身体が震える。頬に熱い何かが伝う。憎悪で身が爛れそうなくらい、深く全てを腐敗させ抉る。、そう思えるほどに。


「あ”ぁ”…ッ!」

「もう止め給え、死ぬ気かい?」

「……ッ! ────ッ!」


異能力・『人間失格』──


いつの間にか“太宰”と呼ばれていた人が側にいて、俺の腕を掴む。すると今まで腐敗していた地面が腐った表面を晒して、腐敗が止まる。

悲鳴が口をついて出たが、声にならず空気を振動させるだけだった。


「大丈夫だよ、私達は君に手を上げたりしない」

「太宰」

「太宰さ…ってうわっ!?」

「……ッ……」


身体がかしぐ。身体が鉛を飲み込んだように重い。自分で自分を支えきれずに身体が前に倒れる。

耳もとで誰かが心配そうに声をかけているが、もう、何も…聞こえ、な、い……な…………


身体から力が抜け、意識が白濁し、彼は気を失った。


──敦side──

「だ、だ、太宰さん…ッ!」


僕は僕に仕事をくれた先輩こと、太宰治を見る。

今僕の腕の中に居るのは青白い顔をした、髪の長い。異能力者らしい彼女は僕らを見た瞬間、怯えた瞳で攻撃してきた。

異能力は辺りを腐り尽くした焼き尽くした

彼女の瞳には怯えと恐怖ゆえの…涙が浮かんで、流れていた。


「……苦しんでるね、も」


横で攻撃を避けながら太宰さんが呟く。


──……ん? か、れ…?


疑問を太宰にぶつけるよりも早く、太宰さんは目の前の異能力者に近づき、異能力『人間失格』を発動させる。

彼女(彼かもしれないが……)は驚きに目を見開きつつ、太宰さんの腕から逃れようとして…──


ぐらりと身体が傾き、今の状況に至る。

彼──太宰さんから聴くところによると、男の子だったらしい──は僕の腕の中で苦しそうに息を吐き出し、冷や汗を流していた。青白い顔が血の気を失い、紙のような真っ白さに変わりつつある。


「取り敢えず探偵社に運ぶぞ。与謝野さんに診せなければ…」

「だねェ? あ、私は運ばないよ?」

「お前は働け、この包帯無駄遣い装置!」

「え、と…じゃあ僕が運びます」


「よいしょ…っと」と掛け声をかけつつ、彼を背負う。見た目以上の軽さに少なからず驚く。手も冷たいし急いだ方が良いのかもしれない。


「うぅ……げ、なきゃ…」

「──えッ?」

「げなきゃ…逃げな、と……ぅ…」

「どうやら追われているらしいねぇ?」

「少し急いだ方が良いな、額が熱いし顔色も悪い」


そう言いながら歩き、やがて探偵社に着く。

三人を見た探偵社のメンバーがぎょっと目を剥く。そして敦の背中におぶわれてる少年に気がつく。


「ん? なんだいそのガキは?」

「あ、与謝野さん。丁度良かった、彼を診てもらえませんか?」

「なんだ、怪我人なのかい? 良いよ連れてきな」

「太宰さん何です、あれ?」

「いや、仕事帰りにちょっとね?」

「乱歩さんと柳玖るくは如何した?」

「あ〜…例の殺人事件の応援に行ってますよー」

「嗚呼例の、か」


──────…………


数時間後、与謝野さんが医務室から出てきた。


「終わったよ。恐らくだが暫く起きないね、あれは」


賢治が淹れた珈琲を飲みながら与謝野さんが言う。


「あ、やっぱり? 相当ボロボロだったからそうじゃないかと思ってたんだ」

「血まみれでしたねー、凄かったですよね、あれ?」

「彼奴も異能力者だ。この目で確認した」

「異能力者って事は…鏡花みたいな事をしたって事かい? さっき“追われてる”って話してただろ、敦?」

「いや、詳しくは分からないんですけど……“逃げなきゃ”って呟いてたので…」


「……」と皆黙ってしまい、沈黙が降りる。


────────────────────────────────────────────


数日後──…

柳玖は太宰を探しに行っており不在の今日。

ギィッと医務室のドアが開き、与謝野さんが顔を見せた。


「目を覚ましたよ」


その言葉に敦は国木田と医務室に居る彼の元へ向かう。

彼は白い手で顔を押さえて上半身を起こした状態でベッドに座っていた。白銀の長い髪がベッドの上に踊っている。


「え、っと具合どう?」

「小僧、お前彼処で何をしていた?」

「…………………………答えなかったら、どうする。?」

「ご、拷問って…」


さらりと彼の口から漏れ出した一言にぎょっとする。彼を見ると彼は白い手で髪の毛を掻き上げ、その深紅と深蒼の瞳でこちらを睨んでいた。

その眼は酷く冷たく、そしてとても深くて暗い、悲しみと憎悪に揺れていた。


「だとしたらどうなんだ?」

「…………………………別に、どうも…しない。それに……慣れたし」

「拷問に……?」


彼は白銀の髪を押さえて、顔を伏せた。白いうなじに真っ赤なが残っているのが、目に入る──…。

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