首斬りアイドルMV
*『とある人が見た夢の話・第一夢』
本編
────────────────────────────────────────
「『え〜……次は人気アイドルグループ、AFI46の新作
テレビからアナウンサーが資料を見ながら言っている。
──AFI46かぁ……
俺は母親と二人でテレビを見ながら思った。確か友人が可愛いって言っていたのは
さぁ噂のアイドルグループの腕前は如何程かと、流れ出したMVに目をやる。
『君との思い出が〜♪』
出だしは普通のグループと大して差は無いように思える。アニメ調のトーンの高い声が普段アイドルに興味の無い俺には、意外と新鮮だった。
ピチャッ
「──────────え?」
MVが流れ出してから暫く経った頃だろうか。殆どの人が気付かなかったかもしれないが、画面の端に何か
──……何だったんだ、あの赤い液体……?
するといきなり画面が真っ赤に染まった。
「え? は……?」
一瞬訳が分からず困惑した。真っ赤な画面の次に現れたのは、俺の度肝を更に抜いた。
『揺らぎ、恋する恋ごころ〜♪』
普通に踊っているアイドル三人の間に、笑顔で歌っている首を切られたアイドルの頭が吊り下げられてあった。その数四つ。切られた跡からは白い骨が見え、まだ温かいだろう鮮血がぽたぽたと垂れている。
「うわっ何だあれ……ッ!?」
思わず声が漏れる。幾ら何でも作り物にしてはリアル過ぎるし、怖過ぎる。隣で母も目を見開いて呆然と画面を見ている。
驚いているうちにどんどん歌は進み、最期のサビの部分に差し掛かる。
「え、ちょっ……なんだよこれ……ッ!?」
サビではもう、普通に踊っている人が居なかった。画面に映っているのはもはや、首を切られたアイドルの頭と、首は切られていないものの頭上に伸びた縄で首を絞められている笑顔の少女たち。
『アナタに、永遠の別れを〜……♪』
ビシャッビチャビチャビチャビチャ……ブツ、ンッ…………
最期に合計八人の死体と鮮血に染め上げられた画面は、いきなり切れた──。
「うわっ!!!!!?????」
そこで目が覚めた。酷く激しい動悸が治まらない。当たり前だ、まさかあんな夢を見るなんて……思っていなかったのだから──。」
「俺の話はここ迄だよ、どう? 怖かった?」
──今宵の夢物語、此処で終幕──
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます