第11話 Side―B 第五章 プレゼント

「手術、6日後にするんだ。」

翔太は、次の日も、舞の所へ、お見舞いに行っていた。

 そして、舞は昨日の夜、医師に言われたことを、かいつまんで翔太に話した。

「そっか。もう少しの辛抱だね。頑張ってね、舞。」

「うん。私、頑張るね!」

「ようしその意気!

 ちなみに今日は、アップルパイを2つ、買って来たんだ。」

「わあ~ありがとう!

 それ、2つとも私にくれるの?」

「いや1個は僕のものだよ…。」

「冗談冗談。分かってますって。

 そんなに食い意地張ってないからね!」

「そうだね!」

こう言って2人は、笑った。

 「そうだ、僕、舞にとっておきのプレゼントがあるんだ。

 一応、退院前祝いということで。」

「えっ、とっておきのプレゼント?何何?」

「それはまだ秘密。また、手術が近づいたら、持ってくるよ。

 一応、前日だと渡しそびれるかもしれないから、…2日前には、持ってくるからね!

 楽しみにしててね!」

「何だろうなあ~。ホントに楽しみ!」

舞はそう言って、無邪気に笑った。


 ―手術2日前―

 「こんにちは、舞。」

「こんにちは、翔太。」

いよいよ、手術が迫ってきた。

「確か、明後日が舞の手術の日、だよね?

 ごめん、明日は、ちょっと用があって、お見舞いには来れないんだ。

 でも、心の中ではもちろん、応援してるから。手術の間ずっと、舞の側にいるからね!」

「ありがとう翔太。私、頑張るね。」

「あっそれと…、

 はい、約束のプレゼント!退院前祝いということで!」

 翔太が差し出した手の先には、少し大きめの箱があり、そこには赤いリボンがくくりつけられてあった。

 「ありがとう、翔太。」

「あと、ちょっと恥ずかしいから、このプレゼントは、舞が1人の時に開けてね。」

「分かった。」

「じゃあ今日は、これで帰るね。

 またね、舞!」

「またね、翔太!」

 その後、舞は病室に1人きりになった。そして舞は、プレゼントのひもを、解いた。

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