③
なんてことだ、生のBLが見えないなんて。
そもそもなぜ私となんだよ。そこはシーダさんとだろうが!
段々とバルドに対し腹が立ってくる。助けてくれて感謝はしているが、コレはシーダさんとのを見たいんだよぅ……。
私なんかが当事者になっちゃだめなんだよ!
だってだってだって……私は《腐女子》なのだから!!!!!
閉じていた目を、カッと見開く。
ふぅっと一息ついて、回していた腕を下す。
「バルドさん、助けてくれてありがとうございます」
そう言って、離れてくださいというように腕を突っぱねた。
私が言葉を発した瞬間、バルドもハッとして離れた。
やれやれと思いながら、ふと彼の顔を見ると真っ赤になっている。耳まで赤い。
(―――えっ……)
ちょ、ちょっと何であんたが顔を赤くしているのよ……?
や、やめてよ。私まで伝染して再び頬に赤みが指す。
いつものバルドじゃない様子に困惑した。なんだか、またその場が変な雰囲気に包まれる。
「……か、帰りましょう……」
甘い雰囲気に耐えられず、そう言うだけでいっぱいだった。
こうして私たちはそこから一言も発せず戻った。
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