②
わんわんと泣く私。ふいに自分より太い腕にぎゅっと抱きしめられた。
(……あったかい……)
安堵でため息と一緒に瞳を閉じる。自然と自分からも広く逞しい背中を抱きしめ返した。
彼の胸に頬を寄せ、心臓の上に耳をつける。ドクンドクンと響く心音がまるで子守歌のように聞こえ、とても心地よい。
抱きついて改めて感じた、バルドの体が思った通りがっしりしていることを。肩幅が広く、胸板も厚い。
そう思うと激しく自分の心臓が鼓動し始める。ドカンドカンと段々大きくなっていく。
(―――VRの太鼓の達人をやっているようだなぁ……)
そんな馬鹿なことを考えた瞬間、ハッとした。
……てか、この状況なんだ?
自分はバルドに抱きしめられている……?自覚するととてつもなく恥ずかしくなってきた。というか私も何を抱きしめ返しているのだろうか。
(ひぇ~。ど、どうしよう//////////)
顔がゆでだこのように熱くなる。いい雰囲気なので少し困惑もしてきた。
しばらくの間、どうしようどうしようと思っていたが……
(――あ、これ傍から見たら男同士が抱きしめあっているんだよね?ということは……リアルBLではないかっ!!!!!!)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます