バルド編 sideR①

 バルド・オーグレーンという男は、オルスニア共和国の西部にある山を拠点にしている山賊の頭である。山賊と言っても、通行人を襲って金品を強奪などはしていない。ただ、行く当てのない男達が集まって山の中で暮らしているだけ。山の中の獣を退治して、それを町のギルドに提供し収入を得ている。


 年齢は25歳、容姿は非常に整っており体格もがっしりとしているイケメンである。性格は良く言えば自分の考え・生き方をしっかり持って貫き通すが、悪く言えば自分勝手な所があり、自分の義に通さないことは絶対に譲らない俺様気質。それを抜きにしても、リーダーシップがあるので仲間には頼りにされている。ただ、常に怒っているような顔はどうにかならないものか。三白眼なのがより一層そうさせている。あまり笑っているところを見たことない気がする。


 そういえば、この間の笑った顔はかなり印象に残っている。こういう風に笑うのかとドキリとした。


 ああいうのをギャップ萌えというのだろうか、と考える。あの時の笑顔はちょっと恋に落ちそうになった。だが、今の自分は男の身。『恋愛』という文字を頭の中から消す。

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