てんぱりながら作った料理は酷かった。みんなから病気なんじゃないかと心配されるほどに。


 夜、自室にて今日起きたことを振り返った。昼間は俺様バルドの貴重な笑みを見て、さっきは女の自分よりも美しいシーダに指を舐められた。この第三者から見たら羨ましい場面に、私は疲労のため息をこぼす。慣れていない事態に壮大な疲労感しか感じなかった。


「……だぁ。今日はなんかどっと疲れたぁ」

 ベッドに横になりながら、ふと、あることを思い出す。


 それは、先ほどのアレである。

「……あれが○○かぁ……」



 世の男性たちは色々大変なんだな、としみじみと思った。女の体とはまた違う感覚に驚きと、なぜか感動を覚えた。



 そんな私は感嘆の吐息を洩らしながら眠りにつくのだった。

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