そんなやり取りをしながらシーダに近づくと、彼は今日狩りで仕留めた獣を捌いていた。

 あ、これはイノシシもどきだ。たしか、ジャバウォックという獣で猪にとても似ている。このお肉美味しいんだよなぁ、とゴクッと喉を鳴らす。


「わぁ!ジャバウォック狩れたんですね!」

「ああ。調理してくれるか?」

「もちろんです!」


 さて、やるか!と気合を入れて料理を始めた。山菜でサラダを作り、メインの肉料理のほかに何品か作っていた時だった。ナイフで指を切ってしまった。私にしては珍しいミスだ。


「痛っ!!!」

「どうした?…あぁ、切ったのか」

 ジャバウォックを捌ききって片付けしていたジークが駆け寄る。そして、私の手を取り血が出ている傷口に口を近づけ、パクリと指を口に含んだ。


「……ふぇ?」

 突然のことに、変な声が出てしまった。


(な、な、何してるんだこの人!!!)

 頭の中はパニック状態である。そんな私には気づかず、指の血を舐めるシーダ。

 私の顔がどんどん赤くなっていくのが分かる。


「あ、あの……」

 やめてくれ~と心の中で叫ぶ。


 彼の舌が指を舐める感覚に、ざわざわと鳥肌がたつ。嫌悪ではない、快感である。

(ヤバイ…気持ちいい…)

 なんて考えていると、下半身に違和感を感じた。

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