⑤
そんなやり取りをしながらシーダに近づくと、彼は今日狩りで仕留めた獣を捌いていた。
あ、これはイノシシもどきだ。たしか、ジャバウォックという獣で猪にとても似ている。このお肉美味しいんだよなぁ、とゴクッと喉を鳴らす。
「わぁ!ジャバウォック狩れたんですね!」
「ああ。調理してくれるか?」
「もちろんです!」
さて、やるか!と気合を入れて料理を始めた。山菜でサラダを作り、メインの肉料理のほかに何品か作っていた時だった。ナイフで指を切ってしまった。私にしては珍しいミスだ。
「痛っ!!!」
「どうした?…あぁ、切ったのか」
ジャバウォックを捌ききって片付けしていたジークが駆け寄る。そして、私の手を取り血が出ている傷口に口を近づけ、パクリと指を口に含んだ。
「……ふぇ?」
突然のことに、変な声が出てしまった。
(な、な、何してるんだこの人!!!)
頭の中はパニック状態である。そんな私には気づかず、指の血を舐めるシーダ。
私の顔がどんどん赤くなっていくのが分かる。
「あ、あの……」
やめてくれ~と心の中で叫ぶ。
彼の舌が指を舐める感覚に、ざわざわと鳥肌がたつ。嫌悪ではない、快感である。
(ヤバイ…気持ちいい…)
なんて考えていると、下半身に違和感を感じた。
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