バルドへの胸キュンはあの後すぐに消え去った。そもそも自分はリアルな恋愛には向いていないと自覚している。というか、今は男だし、自分の嗜好を楽しむことにした。腐女子にはたまらないイケメンだらけな、この環境は最高である。


 先ほどのバルドとのシーンを、自分ではなく別の誰かに置き換えて反芻していた。シーダさんでもいいが、最近は意外と可愛い系イケメンのジークがいいのではないかと思っている。


 俺様×可愛い系=有り!!!!!(・∀・)ニヤニヤ


 恐らく頭の中で思っていることが顔に出ていたのだろう、すれ違う人たちから少し引かれたのは考えないことにした。


 そろそろ夕飯の支度をしなければ、と調理場へと向かう。すると、すでに誰かが居た。美人系のシーダさんである。


「あれ、シーダさんどうしたんですか?」

 近づきながら声をかけた。

「…ん?今日の当番はリョウか」

「あ、はい。そうです」

「リョウの飯は美味しいから嬉しいな」


 なんてお世辞がうまい人なんだ!!!

「いやぁ、それほどでもないっす」

 といいつつまんざらでもない顔をする。

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