④
すると、金髪の人の方がフッと後ろを向いた。
「ん?リョウじゃないか」
やはりシーダさんである。隣にいた赤い髪の男も振り向く。
「…お前、何でこんな時間にいる?」
不遜な態度なバルドだった。
眼福だ、と思いながら自分がここにいる理由を話す。
「すみません。色々片付けをしていたら、こんな時間になってしまいました」
申し訳なさそうな感じを装いながら、顔には出さずに心の中でガッツポーズする。
「そうか、ご苦労だったな」
優しい声で気遣う言葉を述べるシーダさんに対し、まるで邪魔だ、と言わんばかりの表情なバルド。私はハッとなる。なんてこった、二人のイチャイチャシーンに邪魔しているではないか。
「す、すみません!すぐ出て行きます!!」
私とした事が、折角のBLな場面に入り込んでしまった。そそくさと出て行こうとすると、、、
「構わないよ、こっちに来な」
シーダさんが呼び止める。
「い、いえいえ俺は邪魔ですから!!!」
力強く否定すると、今まで黙っていたバルドがため息をこぼしながら一言。
「……いいから入れ」
「は、はい…」
私は蛇に睨まれた蛙のように大人しく従った。
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