③
バルド(苦手なので呼び捨て)とシーダさん(とても良い人)は、絶対にデキていると私は確信している。いつ見てもイチャイチャ、幼馴染の距離感ではない近さ。しかも男同士で、だ。
腐女子である私の目は誤魔化せない!と、私の日々は彼らの観察である。
そんなある日、私は一番下っ端なので色々と雑務をしていたら、お風呂が遅くなってしまった。一応中身は女性なので、入らないという選択肢は無い。こっそり入ろうと、浴場へと向かった。
ここのお風呂はそれなりに広い。それに砦が岩で出来ているせいか、いわゆる岩風呂というやつである。一人で入れる喜びでテンションが上がる。パパッと洋服を脱ぎ、もやもやと湯気が出ている湯場に近づいていくと、人の話し声が聞こえた。途端、落胆する。折角珍しく一人で入れると思っていたからだ。はぁ、とため息をつきながら歩みを進める。
湯気がだんだんと薄れていくと、二人分の人影が見えた。誰だろうと思いながら近づいていくと、一人は赤髪、もう一人は金髪であることが分かる。私は、何度も見かけたその後ろ姿に、さっきとはまた違う喜びが湧き出る。こんな最高なシーンに巡り会えるなんて、と心の中で感動する。
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