第2章 1話 腐女子と山賊

 私がここ、オルスニア共和国という異世界に来て、数ヶ月。慣れというものは怖いもので、自分が男性という事にもう違和感は無かった。そう、私は元々女である。何故かココに飛ばされ性別も男になっていた。最初の方は、30年女性だったのでお風呂やらトイレやら、かなり大変だった。慣れもそうだが、私の性格もあるのだろう。


「おい、リョウ」

 呼ばれた方に首を向ける。名前も本当はリョウコであるが、リョウとして名を変えた。

「何ですか?シーダさん」

 呼んだのは、最初に私を此処に連れてきた人だった。金髪で肩にかかる髪を一本に束ね、顔もかなりのイケメン、そして目を惹かれたのが瞳の色だった。綺麗なエメラルドグリーンで、やっぱりここは異世界なのだと、再認識した。


「そろそろ飯作れ。お頭達が帰ってくる」

「あ、はい」

 そう、私は捕まった時に頭を下げ、ここで飯炊き係として置いてもらえることになった。

 彼等は、いわゆる山賊と呼ばれる人達。


 だけど全く怖くなどない。元々の自分の性格もあるが、ここの人達皆イケメンすぎるだ。腐女子の私は、日々妄想に明け暮れている。今のとこ、シーダさんとお頭のカップリングが推しである。

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