　異世界。まさか自分がそんな体験をするなんて思いもよらなかった。ファンタジーはフィクションなのだと、ずっと思ってきた。それなのに……胸が騒ぎ出す。心の中でふつふつと湧き上がる、異常なくらいの興奮感。

　───異世界、キターーーーー(･∀･)!!!

　そう、私はまさに今、異世界にいる。ファンタジーはノンフィクションなのだ！高鳴る心臓の音が自分で聞き取れる。未だかつて無い興奮に私の顔は熱気を帯びる。

　急に興奮しだした私に、怪訝な顔で問いかける。

「…おい。どうした？」

　だが、私は今までにないくらいに興奮しており、その問いかけが聞こえなかった。

　すると、彼は私の肩に手を掛けた。

「おい！聞いているのか？！」

　先ほどよりも強い口調である。

「……へ？」

　さすがに、体を揺さぶられ正気に戻った私は、気の抜けた声が出てしまう。

「…どうかしましたか？」

　───いやお前がどうかしているが！とでも言わんばかりの顔で見られてしまった。

　彼は気を取り直し、再び聞いてきた。

「それで、お前はどこから来たんだ？」

　──あ……忘れてた。さてどうするかな─

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