第5話 来ちゃった、異世界。

 オルスニア共和国…そんな国、いくら私が学生時代から数十年経っていても、流石に聞いたことが無い。


「オ、オルスニア共和国……?」

「そうだ」

 オルスニアなんて聞いたことない。そもそもどこの大陸なのか。頭の中が?マークでいっぱいになる。

「…あの。何処ですか、そこ?」

「……は?」

「申し訳ないのですが、オルスニアなんて聞いたことがありません」

『……………』

 2人して沈黙する。その顔は、お互いに?マークであった。


 先に我に返ったのは、彼の方だった。

「では、お前はどこから来た?」

 果たして通じるかは分からない。だが、自分の中で確証が欲しいので、正直に言った。

「日本です」


「………………」

 再び沈黙が流れた。そして彼は神妙な顔をしてこう答えた。

「…にほん…?どこだ、そこは」

 ああ、やはり知らないか。恐らくJapanと言い直しても通じないだろう。何故なら、会話してる時点で、そもそも外国語ではないのだから。


 私はようやく確信を得た。此処は、私の知っている世界ではなく、いわゆる異世界的なモノなのだと。

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