私には少し足りない朝食を平らげ、手を合わせ食事を終える。

「ごちそうさまでした」

 ふぅっと満足気に一息つく。


 すると食べている間、ずっといたのか再び上から声がかかる。

「いただきます、ごちそうさまとはなんだ」

「へ?」

 私には当たり前の事を聞かれたせいか、少しマヌケな返事をしてしまう。

「だから、食べる前と食べた後に言っていた言葉だ。まじないかなにかか?」

 ───んな、アホな!

 と心の中でツッコミを入れる。

「…いや、食べる時の挨拶ですが…」

「…食べる時に挨拶なんかするのか、お前の国では」

 まるでこっちの方が可笑しい、という様な顔をした。

「それよりも、お前何処から来た?」

 ───あ、ですよね~

 昨日は答えなかったから、再び聞かれてしまう。

「……あの、そもそもここはどこですか?」

 まずはここが何処なのかを未だに知らない私は、自分の所在を知りたかった。


「ここはオルスニア共和国だ」



 ───どこですかっっ!!!────

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