⑤
私には少し足りない朝食を平らげ、手を合わせ食事を終える。
「ごちそうさまでした」
ふぅっと満足気に一息つく。
すると食べている間、ずっといたのか再び上から声がかかる。
「いただきます、ごちそうさまとはなんだ」
「へ?」
私には当たり前の事を聞かれたせいか、少しマヌケな返事をしてしまう。
「だから、食べる前と食べた後に言っていた言葉だ。
───んな、アホな!
と心の中でツッコミを入れる。
「…いや、食べる時の挨拶ですが…」
「…食べる時に挨拶なんかするのか、お前の国では」
まるでこっちの方が可笑しい、という様な顔をした。
「それよりも、お前何処から来た?」
───あ、ですよね~
昨日は答えなかったから、再び聞かれてしまう。
「……あの、そもそもここはどこですか?」
まずはここが何処なのかを未だに知らない私は、自分の所在を知りたかった。
「ここはオルスニア共和国だ」
───どこですかっっ!!!────
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