④
昨日も思ったけど、やはりこのバリトンボイスはヤバイ。しかも、ワイルドな風貌にピッタリなわけで、ついつい良からぬ妄想をしてしまう。
あ、お忘れかと思いますが、私はいわゆる腐女子なのです。なので妄想は専ら、男×男なわけで。
連れてこられた時は、あまりの衝撃に周りが見えていなかったが、そう言えば、ここにいたのは全員男だったような気がする。
───なんていう事だ、私としたことが!!!
こんな美味しい事に気づかなかったなんて。私が頭の中で葛藤していると、上から声がかかる。
「おい、飯だ」
そう言って、牢屋の扉を少し開けて、朝食らしきものを床に置いた。そしてまた扉は閉められる。
葛藤中の私の鼻に、美味しそうな匂いが漂ってきた。昨日と同じようなパンと温かいスープ、そして恐らくデザートらしきカシューナッツが数粒。途端、ぐぅっとお腹が鳴った。私は妄想を止め、手を合わせた。
「いただきます」
まずは腹ごしらえだ。腹が減っては妄想は出来ぬ、だ。
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