②
あれから私がどうなったのかというと、牢屋にぶち込まれていた。
──な、なんでこうなった……
名前以外言わない私に、彼が言い放ったのは、「捕らえておけ」という一言であった。
どうやら不審者に決定されたようだ。なんて事だ、今まで至極普通に生きてきたのにまさか牢屋に容れられるなんて。ただ救いなのは、まだ殺されていない事だ。それと、ちゃんと食事付きである、量はかなり少なめだが。
先程運ばれてきた食事は、コッペパン的な物とスープであった。
───この世界にパン…なんてあるんだ
見て思ったのはそんな感想だった。何しろ自分は川魚を取って食べるというサバイバル生活を過ごした為、普通の食事にありつけるなんて奇跡だと思えた。たかがパン、されどパンだ。少し感動しながら有り難く頂戴した。
コッペパン的な物を人齧りした。今まで食べてきたパンと変わらない味であった。スープもコンソメスープっぽい味で若干薄かった。それでもお腹は空いていたし、馴染みのある食事なので、あっという間に完食してしまった。
───み、満たされた~
元々そんなに量を食べない私には、ちょっと物足りないかなという程度である。食事にあり付けただけでも良かったと思う。
食べ終わると、お腹が満たされ、疲労も相まってかうつらうつらとしてきた。段々と瞼が重くなっていき、私はすとんと眠りに落ちた。
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