第4話 腐女子降臨
①
あ、そういえば自己紹介遅れました、私は田宮涼子と申します。性別は、れっきとした女です、今は訳あって何故か男になってますが。
──どうしよう、涼子……じゃおかしいよね
まあ、誤魔化すしかないか。どうせ本名知ってる人いないし、と私は自分に言い聞かせ彼に名前を告げた。
「……り、涼です」
「リョウ……変な名前だな」
──な、なんて失礼な奴だ!
本名でもある涼子から一文字取った名前に、彼はこともなさげに変な名前だと言い放ったのだ。
「まあ、いい。それよりお前どこから来た?」
この質問は非常に厄介だ。さて、どうしたものか……。日本です、なんて通用しないだろうし。そう思った私はさっきと同じ答えを告げた。
「わ、分かりません…」
「分からないってどういう事だ。自分がどこから来たのか分からないのか?」
「……はい」
───あえて言うなら、分からないのはここが何処なのか…だが。
なんて言えるわけがなく、私はシラを切った。
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