自分に喝を入れた私は、座っていた石から立ち上がった。歩き出そうとした所で、動きを止めた。


──そういや、さっき飲むのに夢中で気づかなかったけど…

 と思いながら、再び川辺に近づき水面を覗く。

「…やっぱり男だ…」

 透明度が高いので、鏡のように自分が映る。

 そこには、童顔の青年らしき人がいた。いや、顔は間違いなく自分だ。だけど髪は短くなっており、どっから見ても男だった。ただ、年齢が違う気がする。本当の私は、いわゆるアラサーだが、水面に映っているのはまだ若い青年、大学生くらいの歳の男の子だった。もともと童顔だからパッと見、少年にも見える。


──どうせ男になるんならイケメンにしろし

 と、どうでもいいことを考える。


 まだここが何処だか不明もあるが、確実な事が一つ。


 どうやら私は、、、



 男になっている。


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