②
あまりの衝撃に、私は現実を受け止めきれず、しばらく放心していた。それは、自分が死んだかもしれないことよりも、ショックであった。
まさか自分が、男になっているなんて、受け入れられなかった。生を受けてから、二十数年、日々女を捨てているとは思っていたが、本当に女じゃなくなっているなんて考えられなかった。
だが、その疑問に誰も答えてはくれず、時間だけが過ぎていく。
少し肌寒くなり、おもわずくしゃみが出る。
そしてお得意の、考えるのを放棄した私は、ふと自分の荷物があるかを確認した。
周りを見渡すと、1mくらい離れた所に黒いバッグを見つけた。思わず駆け寄ると、ここに来るまで背負っていたリュックだった。安堵と共に中を確認した。
中を開けると、本屋に行く前に準備した物が、しっかりと入っていた。内ポケットにはスマホが入っており、画面を見ると圏外になっていた。予感はしていたものの、実際見ると意気消沈した。
とりあえず自分以外の人間を探そうと、当てもなく歩き出した。
歩きながら、本当に自分は死んでいるのかと疑問に思う。ここは本当に天国なのだろうか。ふと、ある考えが頭の中を
普段、BLマンガや小説を好む私は、そんな非現実的な事を考えていた。
だが、その疑問に答える人は、誰一人いなかった。
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