第3話勘違いにしては酷くないですかねぇ

さて、俺と自称神様との不思議な出会いについて語ったと思うが俺は

(正直自分は生きていたとしても障害が残るんじゃ……)

とか考えてた。

まぁ当然それも神様に質問したわけよ。そしたらなんて返されたと思う?


『神様の不思議パワーだよ♪』


絶句した。正直あれだけ驚いたのは人生で初めてだね。

え?異世界転生出来るかもって思ってた奴が言うなって?思い出させるな恥ずかしい!


まぁ本当に驚くのはこのあとだとは俺は思ってすらいなかったんだよ。


「俺の状況について?」

「そうそう君の状況についてだよ!」

「俺の状況が何か不味いのか?」

「君的には凄まじく不味いと思うけど?」

「やべぇすげー聞きたくねぇ」

「でも言うよ?というか聞かないと君、起きた時に困るよ?」

(何があったんだよ佐藤和樹!)


そんなあの時の俺の突っ込みを神様はスルーそして本当に俺が困るような事を話し出した。


「う~んとねぇ、君はあの娘を助けたと思っているかい?」

「あの娘?自殺しようとしてた娘ですか?」

「そうその娘だよ」

「え、別に助けたとか思ってませんし、というかあれは助けたというか事故に巻き込まれたって感じですかね」

「やっぱりそうだよねぇ」


うーんうーんと唸る神様を見て俺は、

(怖い怖い怖い!何なの?そんなに言いづらいことなの?やだよ聞きたくないよぉ!) 

子供か!俺は子供か!と突っ込んでしまいそうになるくらい混乱していた。

すると神様が覚悟を決めたような顔をしてこう言った


「あの娘はねそうじゃないんだよ。短く纏めるとあの娘の中で君は体を張って自分を守ってくれた王子様になってるんだよ」


「…………え?」 


俺が一瞬硬直する。


「ええええええええ!?」


そりゃあ驚くよね。本当に何でだろうね…なんで俺がたまたま自殺しようとした女の子を身をていして守った勇者みたいになってるんだろうね…


「ワターシ、タダーノ、マキコマレータ、ヒート、なんですけど」

「う~んと元凶はその娘のご両親の説明かな」

「一体どんな説明をしたら王子様に見られるんだ」

「え、そりゃあ見つかった時の君たちの状態をこと細かく説明をしたからだよ」

「え、何?そんな勘違いされるとなると抱き止めてたとかそんなのなの?」

「あ、うんその通りだよ!」

「それでありのままを説明をした、と」

「けっこう脚色してたよ?」

「その状態を脚色して説明をしたらそりゃあ勘違いもするわ!」


全く酷い勘違いもあったもんだよ。


「で、それで彼女は俺をどう思ってるの?」

「気になるよねー!男子だもんね!」

「いやそういうんじゃないんだけど…」

「からかっただけだって!なぁに怒ってんのさ!」

「うざい」

「酷い!……っとまぁそれは後にして彼女が君をどう思ってるか、だよね」 

「あ、あぁ」


急にシリアスモードに入って驚いてた。あ、これ返答が遅れた訳ね


「彼女は君の事を恋愛対象、というか好きな人と思っているね」

「あ、やっぱり?そんなこったろぉとは思ったよ!」


まぁ親からかなり脚色されたストーリーを聞かされたら誰でも多分そうなるわ!!






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屋上から落ちてきた女の子がヒロインだなんて俺は絶対認めない! 楠木黒猫きな粉 @sepuroeleven

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