第135話 進太郎のクリスマス その2
進太郎はヒーロー、デーモンブリードである。
ヴィラン対策室に登録されているヒーローには、参加可能な者はクリスマスイブの
イベントに出場すると言う仕事があった。
デーモンブリード、レッドブレイズ、神装刑事ジャスティスの3名
は都内のホテルにおいて抽選に当たった子供達を招待したヴィラン対策室主催の
クリスマスイベントに参加していた。
「メリークリスマス♪私達と一緒に、楽しいクリスマスを過ごそう♪」
ジャスティスの司会の下、トークショーが始まる。
子供の一人からヒーローになれるかという質問に。
「ご両親や先生の言う事をよく考えて聞き、正しくまじめに勉強やスポーツに励み
自分を鍛えればライセンスは合格できる、そうすれば君もヒーローだ♪」
と、ショー向けに子供に夢を与える語り口でジャスティスが答える。
一方、素行とか勉強とかは良くはないヒーローの問題児二人は必死に子供の夢を壊
さないように相槌を打ったり同意したりしていた。
レイボーグ-GMやキュアセイダーは来ないの?と言う、ややひねた質問には
「ごめん、彼らは君達にも秘密の大事な戦いの最中なんだ。だから、ここから
皆で彼らを応援して欲しい。」
と、デーモンブリードがアドリブで回避する。
そして、プレゼントの配布や握手付きサイン会が終わる頃にアクシデントが起こる。
サンタクロースやトナカイに仮装していた、野良のヴィランが現れた!!
「このホテルは、俺達が占拠し・・・・・・たっ!!」
ヴィランの一匹がジャスティスの跳び蹴りでノックダウンする。
ジャスティスも、子供達が見ている自分達主催のイベントと言う事で配慮した。
調子に乗って現れたヴィラン達、小鬼のような外見のレッドキャップ団は自分達が
最悪の場所に出て来たことを後悔したが遅すぎた。
デーモンブリードが闇のバリアーを張って子供達を守る。
ジャスティスが殴る蹴るで、ヴィランを倒す。
レッドブレイズが、ホテルの他の場所に被害が出ないように火炎縛りの縄で
フォローしつつレッドキャップ団を捕縛する。
こうして、ヴィランが制圧されると子供達から拍手と歓声が沸き上がった。
ヴィラン対策室の増援が引き取り連行し終えてから、子供達を会場から送り出して
イベントは無事に幕を閉じた。
「二人とも今日はご苦労だった、もう上がっても構わない。」
変身を解いた神威の言葉に、同じく変身を解いた進太郎と元気が
「「お疲れ様でした。」」
と挨拶をしてとっととホテルから立ち去って行った。
この時点で夜の8時、進太郎の誕生日が終わるまでまだ4時間が残っていた。
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