第128話 血のハロウィン 急の3

デーモンブリードの餃子作戦にはカブ男も驚愕していた。

「・・・・ば、馬鹿な!! ヒーローが毒ガスを撒く・・だと!!」

カブ男もニンニクの臭いにむせていた。


ウィッカーマンは歩みを止めず、腕を振りビルを破壊しようと腕を上げた。


だがその時、どこからか明るい笑い声が聞こえてきた!!

「はっはっはっ!!お菓子じゃなくて青森のにんにくを上げようっ!!」

キャプテン・アオモリがビルの上からジャンプして、カブ男の顔面にニンニク

を叩きつけながら殴り飛ばした!!


「がはぁ!!」


ウィッカーマンから落とされたカブ男を

「始末する前にこいつには色々吐かせないと、特に本物の桜杉さんの場所とか。」

とレッドブレイズが火炎縛りで拘束してキャッチ。


だが、ウィッカーマンはまだ止まらなかった。

「お前の相手はこっちだ!!」

暴れるウィッカーマンの腕を止めたのはデーモンブリード。


「魔界餃子でドーピングした分、力が漲るっ!!」

空を飛んでいるデーモンブリードが、ウィッカーマンを持ち上げ始めた!!


「進太郎さん、加勢しますっ!!」

レイボーグ-GMが、ウィッカーマンの股の下にすべり込み、右腕の光線銃から

「……これで押し上げる!!『英雄極光ビームスプレーガン』ッ!」

と必殺の一撃を放ち、その衝撃でウィッカーマンをロケットの様に上昇させたっ!!


「ありがてえ、行くぜ重力操作っ!!」

レイボーグ-GMの援護射撃を受けたデーモンブリードが、重力操作の権能を発動させてウィッカーマンを東京湾へとダイナミックに一本背負いで投げ落としたっ!!


巨大な水しぶきを上げて海中へと落下したウィッカーマンを追いデーモンブリードも

全速力で空を駆け、稲妻の如く海へと飛び込むっ!!


海の中、市街地よりも気楽だが環境に配慮してウィッカーマンを巨大な暗黒の球で

包みこむと

「潰すぜ圧潰っ!!デーモンプレスッ!!」

と叫び、暗黒の球を爆縮させてウィッカーマンを消滅させた。


・・・・・・こうして、血のハロウィン事件は終息した。


疲労困憊で地上へと戻って来たデーモンブリードの背を朝日が照らす。

「・・・・・終わった、やっと家に帰れる。」


ゼーハーと荒い息をしながら休んでいたデーモンブリードをレッドブレイズが

迎えに来る。

「・・・・・お疲れ、帰ろうぜって言いたいけれどジャスティスさんから伝言。」

と、テンションの低い声で語りかける。


「・・・・・すっごい、聞きたくない。」

親友に答えるデーモンブリード。


「俺も言いたくないけれど、ショーの開催は時間遅らせるから夜までに俺らで街の

消臭作業しろってよ。」

レッドブレイズが悲しい声で、告げる。


こうして、事件が終わった後の消臭剤の散布作業でヘトヘトになりつつも

ヒーローショーを頑張ったデーモンブリード達であった。








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