第127話 血のハロウィン 急の2
ホラー映画状態のお台場、ヒーロー達もやられてばかりではいなかった。
人質でもある敵兵力をどう無効化するか?
デーモンブリードに、悪魔的な閃きが起こった。
「・・・・・最初に謝っておく、泣くほど臭うぞ!!」
デーモンブリードが虚空に穴を開けて手を突っ込み、何かを取り出す。
「・・・・・うおいっ!!何で、こんな時に餃子出してるんだよ!!」
親友の行動にツッコむレッドブレイズ、デーモンブリードが出したのは
山盛りの餃子であった。
「ただの餃子じゃない、帝国産ニンニクを使った魔界餃子だ!!」
餃子を一つ掴み取り狼の頭で焼いて龍頭に食わせる。
氷のドームに穴を開けて、龍頭から只の息を吐かせて穴を閉じる。
『ギャ~~~~~~~~ッ!!』
ドーム内に閉じ込めたヴァンパイア市民達が絶叫してバタバタと倒れて行った。
吸血鬼のニュータントと化した市民達は、その再生能力で死にはしないが
世にも苦しいニンニクの臭い地獄を味わっていた。
「・・・・・どんだけなんだよ、その餃子っ!!」
レッドブレイズが叫ぶ。
「美味い魔界ニンニクの山羊肉餃子だよリーファ、あ~ん♪」
甘くささやき、餃子を焼いては龍頭に食わせるデーモンブリード。
『・・・・だ、旦那様・・・・あ~ん♪』
『・・・・ずるいでちゅ、私も、私もあ~ん♪』
『・・・・殿下、私にもお情けをっ♪』
『・・・・あ~ん』
「ほら、お前も食え火はいらないよな?」
餃子を自分と一体化したメイド達に餃子を食わせつつ、デーモンブリードが
新しく皿を取り出しレッドブレイズに渡す。
デーモンブリードと同じく稽古疲れで空腹だったレッドブレイズも
餃子を食い出す、彼が手づかみすれば瞬く間に焼き餃子となりレッドブレイズの口へ
餃子が放り込まれる。
「・・・・・う、美味っ!!そして、元気が湧いてきた~~~っ!!」
レッドブレイズが燃え上がるその炎からは焦げたニンニクの臭いがした。
「行くぜ、餃子作戦で逆転だっ!!」
「応よっ!!」
レッドブレイズがニンニクの臭いを出しながら地を走り、デーモンブリードは
空へと舞い上がりモンスターの頭部パーツの口を開ける。
「即席必殺、ガーリックブレ~~~~~スッ!!」
叫びと共に、ドバっとニンニクの臭いがする黒いガスを放射して空を飛び回る
デーモンブリード。
魔界餃子を食べながら走り回るレッドブレイズ、空と陸のダブルニンニク攻撃が
ヴァンパイア市民達を次々と制圧していく。
この餃子作戦が、ヒーロー達の逆転勝利への鍵となった。
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