第122話 帝国の逆襲の前に

ワルプルギスウィッチーズ撃退の後日。

「おっす、エナジードリンク差し入れ♪」

ヘルグリム帝国大使館に、元気がやってきて進太郎に缶のドリンクを放る。


「・・・・・お前、俺の子供出来たら世話を手伝わせるぞ?」

それをキャッチしながら返す進太郎。


「別に良いぜ♪いやさ、親友の息子鍛えるってヒーローらしくね♪」

元気が返す、15年後に元気が本当に進太郎の息子のドラゴンブリードこと赤星龍海あかぼし・たつみの師匠となるのをこの時は二人とも思ってもいなかった。

「マジそれな!!」

親友の言う事はわかる進太郎。


「大丈夫、神威教官や炎馬先輩みたいにジープはやらねえから♪」

元気が自分がやられたジープ特訓を思い出して語る。


「・・・・・いや、何かジープで追い回す特訓流行ってんの?伝統なの?」

自分も無免なのに隣に神威了が助手席で指導するからと、セイントカイダーこと

炎馬勇呀を申し訳なく思いながらジープ特訓したのを思い出す。


「俺ら体育会系だけど、体育会系のノリは駄目だと思うんだ負の連鎖だし。」

元気の言葉に進太郎が同意する。


メイド達はそれぞれの仕事などでいない。

「で、敵の情報とかどうだった?」

先日の魔女達の様子を聞く。


「あ~、駄目だ。吸血夜会の東欧支部が依頼人だけど外部の雇われで

ろくな情報が出ねえし未成年だから治療してフィンランドへ強制送還だと。」

元気が捕えた魔女の処遇などを話してくれる。


「帝国には大損だが妥当だな、逃げた奴らがどう動くか?」

進太郎も頭を悩ませる、こちらから打つ手が出てこない。


「わかんねえけど仕事の話、進ちゃんも竜斗さんや炎馬先輩のヘルプ来いだと。」

元気がスマホの画面見せる。


「・・・・・神威さん、仕事なら大使館通してください。」

神威了へ電話をかける進太郎、その返事は休校中の学生ヒーロー諸君への

お小遣い付きの社会勉強なので仕事ではないとの事だった。


「・・・・・どうよ、教官?」

元気が聞いてくる、しごかれたおかげで神威了に苦手意識があるらしい。


「対策室の財布は相変わらず紐が固い、良い笑顔で社会勉強をしたまえだと。」

と、元気に答える。


「うわあ、ニチアサで見るようなあの笑顔か。」

元気が思い出す。


こうして、進太郎と元気はヴィラン対策室から振られた社会勉強と言う名の

依頼で東京へと行く事となる。


後に血のハロウィン事件と呼ばれる戦いが東京で起こる事を、この時はまだ

予想すらせずにいた。


ヘルグリム帝国の逆襲には、もう少し時間がかかる事になる。








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