第97話 吸血鬼化薬騒動その6
連児を襲った吸血鬼の少年、太間慎二。
その少年の死のニュースは学校でも流れたが、悲しんだのは連児だけだった。
「シンジ~~~!!何で死んじまったんだよ~~~!!」
クラスメート達は無視していたが、連児だけは彼の為に泣いていた。
「・・・・・自分を嫌い憎んでいた奴の為に泣けるんだな。」
進太郎は自業自得であり、好ましくない相手の死を悼む気にはなれなかった。
だが、自分を憎み殺しに来た相手であるシンジの為に泣ける連児を見て
進太郎は彼を羨ましく、そして自分を酷く嫌な奴だと思った。
「・・・・嫌な所だけは普通の人間だな、俺。」
昼休み、アニーに頼んで作ってもらった連児用の弁当を連児に渡す。
「・・・・・い、良いのか?巨乳メイドが俺の為に弁当を作ってくれただとっ!!」
連児が興奮する、連児の心が癒えるかはわからんが元気にはなったようだ。
オムライス、ミートボール、人参、オニオンリングなどが入った弁当を連児と食う。
「うんめ~な~っ!!毎日こんなうまい飯が食えるなんて羨ましい!!」
連児がアニーの弁当をほめる、ちなみにフランもメイも料理は上手い。
悲劇を止めたいと思った、吸血夜会の奴らは容赦してやる理由が思いつかない。
しかし、事件を解決しようにもラ・ルロロナ達がどこにいるのかが問題だった。
鏡を使いテレポートできる輩を探すのは一苦労である。
学校から帰り、拠点に戻った進太郎。
「後手に回ってばかりではだめだと思うが、どうにも奴らを探す手立てがないな。」
学校では特に、誰かが不登校とかメキシコ人のメイドを雇ったという話はなかった。
「ヴァンピーナと言う単語を検索してみましたが、ヒットなしでしたわ。」
メイが報告する。
「ヴィラン対策室でも、捜査中だそうでちゅ~!!」
アニーが叫ぶ。
「・・・・・・・連中が好きそうな所、探すしか?」
フランも思いつかない。
気持ちははやるも、行き詰っていた。
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