第98話 吸血鬼化薬騒動その7

デーモンブリード達が出した結論は、パトロールだった。

『足で稼ぐしかあるまい。』

進太郎を覆う鎧となった祖父、ゴート66世の言葉に同意して空を飛んでいた。


一緒に飛んでいるのはリーファが鎧を身に纏ったブルードラゴンだ。

誰が一緒に行動するか、壮絶なじゃんけんを勝ち抜いたのはリーファだった。


腰にはバックルがハート型のゴングで周囲に何かガジェット差し込んでるベルト。


青い龍をモチーフにした鎧を身に纏った、日曜のテレビで見る変身ヒーローだった。

首には青いマフラー、胸のふくらみ以外の女性らしさはない。


そんなブルードラゴンを見るデーモンブリード。

「あら♪私を見ていただけてうれしいですわ♪」


「ヒーローらしいデザインで羨ましいだけだ。」

感想を言う。


『いや、おじいちゃんのも格好良いじゃろ!!ダークヒーローっぽくて!!』

ゴート66世が張り合う、おじいちゃんは変な所で負けず嫌いだった。


「お義祖父様、そのお姿も素敵ですわ♪」

フォローするブルードラゴンと二人で、見晴らしが良い建物に降りる。


「さ~って、どこかにスタンバってるニュービーはいないかな?」

デーモンブリードが周囲を見回す、何とかと煙は高い所が好き。


ビルの屋上などで獲物を物色したりするヴィランはそこそこいる。


高い所から舞い降りると言う演出はヴィランもヒーローも好むのだ。


死角である頭上から何か落ちてくるって、恐怖だよ。


事件を探していた所、路地裏でヴァンパイア化したサラリーマンを発見。


建物の屋上から飛び降りてヴァンパイアの前に立ちふさがる。


「で・・・・デーモンブリード!!・・・・ナ・・ナンデ!!」

ヴァンパイアサラリーマンは驚いていた。


「質問は受け付けない、デーモンバッツ!!」


チチチチチッ!!


デーモンブリードが生み出した闇の蝙蝠の群れがヴァンパイアサラリーマン

に纏わりついてその動きを封じる、デーモンブリードの方が吸血鬼っぽい。


「ギャ~~~~!!」

振り払おうとあがくほど傷つく、ヴァンパイアサラリーマン。

その背後に、ブルードラゴンが音もなく降り立ちバックドロップで投げた。


気絶したヴァンパイアサラリーマンを猿轡と手錠で拘束する二人。

「どうなさるのです?」

ブルードラゴンが尋ねる。


「ヴィラン対策室へ連れてく、売り込んできちんと仕事として受けないと。」


ただ働きは嫌いなデーモンブリードに届けられた、ヴァンパイアサラリーマン。


神威にとことん情報を搾り取られた後、イケメン天才医師に治療されたのは別の話。


いよいよ、ラ・ルロロナの所へ攻め込む道が開けたのであった。







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