第47話 北の国で その4

そして時は戻る。


ファングパックの隊員達は、見事な手際でロシアンマフィア達を

制圧し身包みを剥いでなりすますと港の倉庫で吸血夜会の連中を罠にかけた。


ヴィラネスは、スーパーヒーロー着地をしたデーモンブリードに向かって

牙をむきロケットの如き跳躍で跳び蹴りを放ってきた!!


いわゆるライダーキックで線運動的に突っ込んでくる!!

因みにこのヴィラネス、下着は穿いてないっ!!


デーモンブリードは、わずかに飛び退くとヴィラネスの蹴り足

を衝撃に耐えながら両手で掴み自分も横に転がりつつ捻って投げた!!


プロレス技のドラゴンスクリューならぬ、デーモンスクリューである。


ヴィラネスは受身も取れず、全身を床にしたたかに打ちつけた!!


デーモンブリードは、容赦なく倒れたヴィラネスの両足を取って抱え

自分の肘の内側で相手の踝をロック、ヴィラネスを返して逆エビにして反り

容赦なく自分の腰を相手の腰へと落とした!!


・・・・・・バキバキバキッ!!


「ギャアアアアアッ!!」

ヴィラネスが痛みに絶叫を上げる、デーモンブリードがした事は

ヴィラネスの両足首と腰骨を粉き胸部を圧迫するまさに悪魔の所業

と言うべき地獄の逆エビ固め。


それは、処刑するという極刑であった。


技を解き、跳躍してアニーの元へ戻るデーモンブリード。

「普通ならここで終わりだが、こいつらに一切の容赦は出来ない!!」

デーモンブリードに躊躇いは消えていた。


「・・・・この鬼畜どもは、許せないです。」

ア二ーも主君の言葉に頷きそばに寄り添った。


敵は吸血鬼の能力を持つヴィラン、この程度では死なない。


ファングパック隊は、子供達の入った棺を担ぎ上げて先に撤収に入った。


デーモンブリードと、アニーが向き合い社交ダンスのように互いの手を取り合う。


二人の足元から鎖が出現し這い上がり、腰の位置でベルトのように

鎖が二人を結びつけると炎が燃え上がりアニーとデーモンブリードを包んだ!!


そして炎の中から現れたのは、胴鎧は狼の頭、手甲具足は燃える炎!!


兜や背中からも炎を噴き出す、赤き炎の悪魔であった。


邪悪な輩に報いを与える、灼熱地獄の宴が開幕した合図だった。





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