第27話 私と海に行くんだよ!! その3

壁も床もベッドもピンクで女の子らしいメイの部屋を訪れた進太郎。


リアルな自分の抱き枕やアニメ塗りのイラスト化された自分の抱き枕

を目撃して、SAN値がダダ下がりする。


「何処に行きたいかですか?殿下と海へ遊びに行きたいです♪」

正常な状態に戻ったメイが言う。


「・・・・・・海に行きたい?悩ましい。」

メイからのリクエストは、非常に悩ましいものであった。


ただでさえ島暮らし、物心ついた時から近所の商店街に行く感覚で海がある。


「殿下は戦い以外ではもう少し、自主的に積極的に行っても良いと思います。」


メイが痛い所を突いてくる、進太郎は他人の話を聞き空気を読んで周りに合わせる

事を重視して主体性が弱めなのである。


「特に私達をもっと貪欲に求めてくださいませ!!主導権は自分だと激しく!!」

向かい合って座っていたはずが、進太郎が悩んでいる間にピトッと隣に寄り添い

進太郎の腕に抱きつき胸を当てているメイ。


「・・・・・・前向きに検討して善処する。」

政治家のようなことしか言えなかった進太郎であった。


次の日、船に乗り島を出て桃ノ島市内への海水浴場へと向かった二人。


「おお、こっちは小石が沢山あるな。」

宮崎の事件では、遊ぶ気になれなかったのではしゃぐ進太郎。


「こちら側は伊予灘に面していて、小石は全部天然の物だそうです。」

タブレットで検索しながら解説するメイ。


海岸ではしゃぐ、少年とメイドを目撃した住民たちはいぶかしむ。

「・・・・・・あの女の子、耳がヒレになっとるよ?」


通りすがりの地元のおばちゃん達が友達に耳打ちする。


「もしかして、デーモンブリードの子達やないの?あの悪魔の?」


「何か、事件でもあったんかな~?」


と、近隣住民に心配されている事を知らずに過ごしている二人であった。











  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る