第24話 出るのが闇でも光線です

敵との戦いに備えて鍛錬は怠らない、努力は大事。

「テレビのヒーローもパワーアップは苦労しとるしのう。」

おじいちゃんは語る。


ヒーロー番組でも、アイテムで手軽に強化してるように見えるが

アイテムの入手や使いこなすのに苦労しているのである。


とどのつまり苦労なくして成果無し、苦労しても成果が出ない場合もあるが。


そんな事を進太郎に語っているのは採石場みたいな山の中。


だが、その空はワイン色でその向うに太陽系とは異なる宇宙が見える。


空に浮かぶ月は、ドクロ型であった。


ここは魔界、ヘルグリム帝国の郊外にある軍事演習用の山。


人間界の屋外での特訓は、環境破壊や近隣住民の苦情に後片付けが大変なので

自宅から魔界に行ってやる事になった。


「光線技などエネルギー操作の特訓じゃ、思い切りぶっ放して構わんぞ!!」

ゴート66世がのたまう。


変身していない状態で進太郎が

「光線といわれても、闇しか出ないんだけど。」

右腕を突き出し、力を入れると腕からバチバチと黒い闇が電撃の様に出る。


「黒くて素敵です♪ああ、あれでお仕置きとか・・・♪」

メイが恍惚とした表情でうっとりとする。


「ハートを撃ち抜かれるような電撃でちゅ♪」

アニーも恋する乙女状態。


「・・・・・・殿下の電撃、浴びたい♪」

フランも頬を染める。


「もっと、魔界の皇太子として誇りを持つんじゃ進太郎。」

ゴート66世が励ます。


まあ、やらないと帰れそうにないのでやる事にする進太郎。


ターゲットの方向に意識を向ける、突き出した腕は銃の銃身のイメージ。


掌から小さい闇の玉が現れ、その玉から紫と黒の混ざった闇の電撃が

ズババッっと音を立てて放たれバンバンと石を砕いていく。


「・・・・・・なんかこれ、人に使ったら駄目な感じの技じゃね?」

技の威力にビビる進太郎。


「罪もない民草には当然いかんが敵なら別じゃよ?敵に情けはかけんほうが良い。」

ゴート66世、敵には厳しいおじいちゃんであった。


この闇の電撃、デーモンサンダーの威力や射程、範囲の調節が課題となった。


そして次は光線、デーモンビームの練習。

「闇でも光線なの?」


「闇でも光線じゃよ♪」

祖父と孫が、問答をする。


進太郎が、足を肩幅に開いて腰を落とし拳を脇に添えて気合を入れると

彼の全身を黒い闇の稲妻が走る。


そして、手を開き胸の前でフライングクロスチョップのように構えると

稲妻が手の方に集まって行く。


そして、ズババババっと音を立て一直線に闇の稲妻が収束されて放たれる!!


光線をぶっ放した先の山の土砂は、100m先まで削られていた。


「・・・・・・へ?変身してなくても、とんでもない威力が出た!!」

自分のした事に驚いて尻餅をつく進太郎であった。














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