第23話 ご当地ヒーローの田舎ライフ

ノックの特訓は、初回は失敗したが訓練メニューとして採用された。

デーモン道場のスライムのプールからスライムを抜いた状態で行われる。


砲弾かレーザーかと言う勢いで飛んで来る球を、手に纏わせた闇のエネルギーの塊で

弾いたり重力を操って絡め捕ったり全身にバリヤーを張れる様になったりと回数を

こなす事により訓練になじんで行った。


そして、本日もノルマを終えた後のリビングにて

「公開練習の動画のPV数も上昇しております殿下。」

メイがタブレットでアクセス解析しつつ告げる。


「わっはっはっは!!この調子で世間様に喧伝するのじゃ♪」

おじいちゃん喜んでる。


「ヒーローって、情報公開していいもんなんだろうか?」

進太郎がぼやく、テレビだと正体隠してるもんである。


「ご近所の皆様、地元の情報収集力が高いので下手に隠すよりは良いかと。」

メイが答える。


桃ノ島も田舎なのでご他聞にもれず、近所のコミュニティの口コミとかは濃い。

「この島はネット環境充実してるから、詳しくはウェブでといえば良い。」

フランが言うように、桃ノ島は田舎の離島ではあるがネット環境は整っている。


「おすそ分けに来てくれたトメさんから、動画見たって声かけられまちたね殿下♪」

アニーの言うトメさんとは、3軒となりの農家のおばあちゃんである。


「明日はおじいちゃん、春子ちゃんの家の神社に寄り合いに行くからの。」

ゴート66世、思い出して手をぽんと打つ。


地元コミュニティになじみすぎてる、ヘルグリム帝国の近所づきあいは良好である。


ちなみに近隣住民からのヘルグリム帝国の面々の呼び方は、進太郎が進ちゃん

アニーがアニーちゃんでメイがメイちゃん、フランがフラちゃん、ゴート66世が

六さんと田舎の付き合いらしくあだ名呼びである。


野菜は買うのとおすそ分けが半々、肉は買うより狩るほうが割合が高いと

都会では考えられない食料事情だ。


「明日は私は猟友会で、熊狩りして来まちゅね~♪」


アニーの言葉から、明日の夕食に熊鍋を思い浮かべる進太郎であった。

























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