第18話 フランの笑顔とガーナの悪魔 前編

アニーの次に誰が進太郎とデートをするか?

「次は私が、ああ♪心の潤いの為に殿下の成分が♪」

と言い出したメイ。

「・・・・・・メイは夏コミの原稿があるはず。」

と、フランが待ったを掛けた。


「・・・・・・きぃ、修羅場モードで終わらせます!!」

フランの一言により泣きながら、原稿に向かうメイであった。


稼ぎは大事である、魔界の金が人間界で流通できる様になる日は遠い。

「・・・・・・殿下は、後でメイにフォローを入れて上げて欲しい。」

さりげなくメイを気遣うフラン。


「仲良いな、お前達。」

フランの言葉に頷く進太郎、フランは周囲をよく見て気遣いができる。


「・・・・・・私たち3人は幼馴染で仲良し、嫁ぐ時も相手も一緒♪

・・・・・・でも、それはそれこれはこれ。」

フラン達三メイドは、進太郎のお供兼花嫁として進太郎の母である現皇帝

の命で魔界から人間界にやって来た。


進太郎本人が知らない間に決まっていた許婚である、しかもヘルグリム

帝国は一夫多妻制なので人間界の法には抵触しない合法嫁メイドである。


「・・・・・まあ、何処に行くかは考えておくよ。」

といいながら、進太郎は学校へと出かける。


一方その頃、中国某所。


巨大な老木の下で、丸テーブルに3人の男女が座っていた。

「日本の木を吸血樹の花粉で、吸血鬼化させるなどやってられるか!!」

叫ぶのは黒人の男アサンボサム。


「ラングスイルの作戦は手ぬるいわ、もっと派手に日本人を殺しましょう」

物騒なことを言う、アジア系の美女はペナンガラン。


「宮崎が失敗したけれど他の観光地なら上手く行くわ!!」

同じくアジア系の美女はラングスイル、宮崎の吸血椰子事件の失敗に

不満があった。


彼らは吸血夜会、彼らを見下ろす老木こそ吸血椰子発生の原因。


樹の吸血鬼、吸血樹である。

「作戦などいらん、俺一人でデーモンブリードなど干物にしてくれる!!」

アサンボサムは立ち上がり、アジトから何処へともなく飛び出していった。


「アサンボサムは馬鹿ね、ペナンガランは彼を追わないの?」

ラングスイルがペナンガランに尋ねる。


そのペナンガランは茶器で赤い液体、人間の血液を茶碗に注ぎながら

「知らないわ、死んでも構わない。」

と言って血を飲む。


魔人の女二人は、血の飲茶を楽しんでいた。









  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る