第15話  血を吸う椰子は吸血樹 後編

宮崎県 日南海岸 の砂浜に進太郎達は来ていた。


「あちらに見える、ずらっと並んだ岩が鬼の洗濯板ですよ殿下♪」

メイが進太郎に、のこぎりの歯のように並んだ波状岩を指差す。


「へ~そうなんだ・・・って、違う!!観光してる場合か!!」

メイにツッコむ、観光に来たんじゃないはずだ。


「後で、鵜戸神宮にお参りしまちょうね~殿下~♪」

日本神話の舞台で安産祈願で有名なスポットを話題に上げるアニー。


「・・・・・・楽しい思い出作ろ♪」

カメラを回して撮影するフラン、仲間達は観光気分だった。


だが、崖の上からメキメキと音を立てて木の根を足のように動かして

椰子の木の軍団が襲い掛かって来た!!


一行は変身バンクなしで変身し、椰子の木の迎撃に当たった。


メイがオール状の武器に海の水を集めて、水の斬撃を飛ばす。


アニーは、全身を燃やし駆け巡る。


フランは、撮影に従事していた。

「・・・・・・証拠映像、私たちが悪者にされないために必要。」

実は大事な仕事だった。


「もう、メイとアニーだけで良いんじゃなかろうか?」

変身したものの、まだ撃破数は一体のみのデーモンブリード。

メイとアニーの無双状態だった。


だが、攻撃を終えた二人を残っていた椰子の木が葉を伸ばし

締め付けて反撃の隙を与えず血を吸い始める!!

「あぁぁぁぁっ!!」


椰子の葉が、メイとアニーの血を吸い二人の意識を奪い

消火用ホースのように膨らんだ時デーモンブリードの感情が爆発した!!


「二人を放せぇぇぇっ!!」

背中に蝙蝠の翼を広げ、ドンと衝撃波を出しながら砲弾の如く

椰子の木へと突っ込むデーモンブリード!!


両手の指から黒い闇の刃を出し、メイとアニーを縛る葉を断ち切って解放する。

この時点で吸血椰子は、もう死に掛けていた。


『・・・・・・いかん、進太郎が怒りに我を忘れておる!!』

魔王ドライバーことゴート66世が焦る、変身を解除しようとするができない。


吸血椰子を担ぎ上げると、目の前の空間に黒い重力の穴を作り出す。

「デェェェェェェモンッ、フォォォォォルッ!!」

そして、技の名を叫ぶと同時に吸血椰子を穴に向けて投げ捨てた!!


重力の穴は吸血椰子を吸い込み粉砕した後に自然と閉じた。


デーモンブリード、怒りのオーバーキルであった。


「・・・・・アニー、メイ、死ぬな!!」

変身を解き、アニーとメイへ駆け寄る進太郎。


怒りは消えたが混乱していた、そんな進太郎を同じく変身

が解けた二人がガバッと起き上がり抱きしめる!!


『『・・・・・・はい、死にませんっ♪』』


・・・・・・結構な量の血を吸われたはずの二人だが元気だった。


事後処理を終えた後、お約束として今度は進太郎が色々吸われたのであった。
































  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る