第4話 密漁犯は蜘蛛怪人!? その1

桃ノ島、桃ノ島市から西に10キロの沖合いに浮かぶ人口1000人の島。


島の中心の猿王町さるおうちょう、西の雉見町きじみちょう、東の犬鳴町いぬなきちょうと3つの町で構成されている。


主な産業はみかんや玉葱に桃といった農業と、イワシやハモなどの漁業。


観光客向けに島内一周ができるサイクリングロードや、猿王神社の鬼退治祭り

や犬鳴町にある海岸沿いの商業施設『ももぽ~と』が有名だ。


雉見町は漁師町で、漁業組合や養殖場など島の漁業を担っている。

同じ島の海岸でも犬鳴町は観光向けと妙な住み分けが出来ていた。


猿王町で発生した銀行強盗事件で、強盗団が逃げてきた桃ノ島港は犬鳴町にある。


平和な離島に見える桃ノ島も、他所と同じくヒーローとヴィランによる

ニュータントの戦いとは無縁ではなかった。


デーモンブリードこと、赤星進太郎は学校で事件を知る。


犬鳴町にある私立桃川学園桃ノ島分校、中高一環で本校は市内にある。


ホームルームで担任から

「最近、船舶の事故が増えているので船の利用には注意すること。」

と通達される。


・・・・・・ざわつく教室、市内に遊びに行くには船しかない為死活問題だ。


「進太郎?あんた、何かしてないわよね?」

疑いの声をかけるのはおかっぱ頭の学級委員、川原春子。


「人聞きの悪いこと言うなよ、委員長。」

心外である、海の事件なら海保の仕事では?


「そうだぜ、進ちゃんが何したってんだよ?」

進太郎を擁護するのは、火野元気。

「春子は、うるさい。」

机に寝そべりながら文句を言うのは鍋島ゆか。


ゆかも春子も元気も進太郎の幼馴染である。


「ぼっしー、ぼっしー、これは事件ですぞ!!」

進太郎をぼっしーと呼ぶのは眼鏡をかけた少年、卜部博士うらべ・ひろし

オカルトマニアで、ニュータント事件の情報を探るのが趣味な変人だ。

博士は東京出身で中学からの付き合いである。


そんな彼らはデーモンイレギュラーズ、進太郎にとってかけがいのない

友人で協力者達だ。


「まあ、なんにしても学校が終わってからだな。」

進太郎が言う、ヒーロー登録とかしていてもテレビみたいにホイホイ

学校や職場を抜けられないのである。













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