第2話 皇太子の日曜日 前編
・・・・・・チュンチュンチュンチュン.
雀が鳴き朝を伝える日曜日。
古めかしい、ホラー映画の舞台風な洋館の中に朝日が差し込む。
8畳一間の和室にしかれた大き目の布団には、男女四人が同衾していた。
男は日本人の少年、温和な感じのギャルゲーの主人公顔は苦悶にゆがんでいた。
少年の名は
昨夜、悪魔のような鎧を纏い強盗の尻を蹴り上げたヘルグリム帝国の皇太子。
ヒーローとしての名はデーモンブリード、魔界のプリンスである。
本名は、進太郎・赤星・ヘルグリムだが赤星進太郎と日本人名で通している。
・・・・・・全員、布団の下は裸で明らかに事後であった。
少年の左右を狼の耳を生やした赤毛の肌の白い美少女アニーと、耳の辺りが魚のヒレ状になっている緑髪で赤褐色肌の美少女メイ。
少年の上には、こめかみにネジが生えている黒のおかっぱ頭で紫色の肌の美少女
フランが被さっていた。
この四人が、昨夜ニュータント強盗団を退治したヒーローチーム
ヘルグリム帝国の面々の変身を説いた姿である。
朝6時、赤毛と緑髪の少女が目を覚まし布団から出る。
二人とも身長は高く胸が大きいが、体付きは全体的に格闘家のような筋肉質
であった。
そして二人は頭にホワイトブリム、枕元に置いていたメイドさんの頭の白い飾り
を頭に装着する。
ホワイトブリムが輝くと、瞬時に裸からヴィクトリアメイドに変身した。
その後、紫肌の美少女も、目を覚まし布団から出る。
先に変身して出て行った二人に続き、ヴィクトリアメイドに変身して
和室を立ち去った。
朝7時、少年が目を覚まし布団から出てジャージに着替えてリビングへ。
「・・・・・・おはよう、まだアニメの時間帯か。」
テレビでは、ロボットのギャグアニメが流れていた。
愛媛の田舎でもニチアサは共通であった。
「おはようございます殿下、昨夜もお楽しみでしたね♪」
メイド服姿の異形の美少女三人が、ゲームっぽい挨拶をしてくる。
進太郎は
「それは、楽しんでいた側の台詞じゃねえ。」
と疲れた顔で返す、ゲームで言うなら宿屋に泊まったのに
回復でなくマイナスされた状態である。
事件を解決して帰宅した後、3人のモンスター娘からそれぞれ順番に
「強盗に化け物といわれて傷ついたので、心のケアをお願いします。」
「殿下~♪胸の痛みを慰めてほちいでちゅ~♪」
「・・・・・・殿下のエナジー、欲しい♪」
と1時間ごとに個別にやってきては襲われ、終わったと思ったら最後に
『『殿下、怖くて一人で眠れませんので今夜は一緒に寝てください♪』』
と3人全員で襲撃され、朝までドレインされまくったのであった。
「大変素晴らしい夜でございました♪」
と頬を染めてうっとりするメイ。
「今朝は、ヒージャー汁ですよ♪精を付けてくだちゃいね~♪」
普通に喋った後、赤ちゃん言葉でアニーが丼に入った山羊のお肉
がたくさんの沖縄料理で精が付くヒージャー汁を差し出す。
丼からは山羊の臭いが漂い、むせる進太郎。
「・・・・・・今夜も、レッツパーティー♪」
フランが、卵とのりの佃煮を乗せたご飯を差し出す。
テレビでは戦隊が始まる中、ヘルグリム帝国の朝食も始まった。
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