デーモンブリード
ムネミツ
吸血夜会遭遇編
第1話 正義のモンスター達
愛媛県は
それが、桃ノ島。
そんな田舎の島でも、ヒーローとヴィランに別れたニュータントの戦いは
繰り広げられる。
満月が輝く夜、島の小さい港の桃ノ島港付近ではドンパチが繰り広げられていた。
「くたばれ、化け物!!」
パン!!パン!!パン!!
ジュラルミンケースを片手に持ち、もう片方の腕がリボルバーと化した異形の男が
紫色の女性型のドイツ甲冑に向けて発砲する。
カン!!カン!!カン!!
女性型のドイツ甲冑は銃弾をまともに受けつつも、ひるまず男に歩み寄る。
「・・・・・・ひ、ひぃぃ!!く、来るなぁっ!!」
海の方へ逃げつつも発砲するリボルバー男、そして海にある怪しいボートから何者かが跳躍しドシン!!と音を立ててドイツ甲冑と拳銃男の間に割り込む。
「金を持って先に行け、リボルバー!!」
拳銃男に逃走を促すのは、全身を黄色い重厚なパワードスーツに身を包み
腕がバケットになっている重機人間だった。
「助かったぜ、ユンボ!!」
拳銃男が、重機人間に叫び逃げ出す。
「・・・・・・手加減、してあげる。」
ドイツ甲冑が、いつの間にか鎖鉄球を両手に持ち鉄球を振り回した。
「しゃらくせえ!!」
ユンボ男が、バケットを振りかざし突進!!
ドガン!!
暗黒の重力の塊と化した鉄球がユンボ男に落とされ、ユンボ男は大地に沈んだ。
「・・・・・・犯人一人、確保。」
もうすぐ海、逃げられると思ったリボルバーの体を突然空から降ってきた鎖が縛る。
「逃がさないでちゅよ~♪」
赤ちゃん言葉で語りかけるのは、ライダースーツ状の衣装を着た赤い女性の人狼。
彼女の手から出た鎖がリボルバーに巻き付いている。
「また化け物が出た!!」
その言葉が、リボルバーの最後の台詞だった。
ジュ!!っと音を立て、赤熱化した鎖の熱さにリボルバーは気絶した。
「は~い、悪い子にはお灸でちゅよ♪」
人狼の女性は怒っていた。
一方、海の上のボートでは仲間の帰りを待っていた3人目の男が焦っていた。
「・・・・・・くそ、こんな田舎にヒーローはいないと思ったのに!!」
3人目の男は逃げ出そうと決意した、だがそうは問屋が卸さなかった。
突如海の中から、ザバッと音を立ててボートの上に飛び降りた侵入者がいた。
「ニュータント強盗団3人組、ヘルグリム帝国が逮捕させていただきます。」
丁寧な口調で喋る侵入者は緑色の女性の半魚人だった。
「ふざけるな魚の化けめ!!」
3人目の強盗は、両手に二本の刀を持ち半魚人に襲い掛かる。
半魚人もオール状の武器を取り出し、男の斬撃を受ける。
「殿下、今です!!」
半魚人が叫ぶと空から、兜に山羊の角と蝙蝠の翼のバイザーの付いた黒い
悪魔のような鎧を纏った男が船の上に降り立ち刀の男の尻を蹴り上げる。
「ギャーーーー!!」
刀の男が絶叫し、気を失ったのを確認して尻から爪先を抜く悪魔鎧の男。
「・・・・・・ふう、汚いものを蹴ってしまった。」
刀の男をふんじばり、港へと戻る悪魔鎧の男と半魚人の女。
「殿下~♪強盗捕まえまちたよ~♪褒めて褒めて~♪」
港ではリボルバーとユンボを拘束し確保した人狼とドイツ甲冑が
出迎える。
悪魔鎧の男の名はデーモンブリード、人狼はアニー、ドイツ甲冑はフラン
半魚人はメイ、彼らはヘルグリム帝国。
桃ノ島を拠点とするヒーローチームである。
翌日の地元紙、桃ノ島タイムスの一面は彼らの活躍が飾られた。
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